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Voice of Cardsシリーズが3作揃ったのでおすすめ作品や遊ぶべき順番を紹介

今からちょうど1ヶ月くらい前にシリーズ3作目となる『Voice of Cards 囚われの魔物』が発売されました。これからも作品が続くかと思っていたのですが、もともと3部作想定で制作を進めていたとのことで、これでシリーズはおしまいだと生放送中に発表されていましたね。
3部作という表現がされているものの、お話的に直接のつながりはないためどこから始めても楽しむことができる……のですが、どれを遊ぶか、また遊ぶ順番によって楽しめるかどうか変わってくるとも思っていて。

そんなわけで今回はシリーズの説明やおすすめの作品、プレイ順を紹介していこうと思います。これから遊んでみようと思っていた方の参考になったら嬉しいです。

Voice of Cardsシリーズについて

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Voice of Cardsシリーズは2021年のTGS時期に発表され、その年の10月に発売された『Voice of Cards ドラゴンの島』を1作目とする3作品です。

アナログゲーム的な雰囲気を大事にした作品で、ゲーム内の多くのものがカードで表現されているのが特徴。もう1つの特徴は声で、全編通して声優によるナレーションが入っているんですよね。この2つの特徴からシリーズタイトルとして『Voice of Cards』がつけられているというわけです。

その後発売される『Voice of Cards できそこないの巫女』、そして先日発売された『Voice of Cards 囚われの魔物』とつながっていくのですが、当然上記の特徴は受け継がれており、アナログゲーム・TRPG的な雰囲気の中、声優がゲームマスターとしてナレーションを務めています。
ちなみにナレーションは1作目から順番に安元洋貴、速水奨、石川由依となっているので、好きな声を参考に遊ぶ作品を選ぶというのもありかなと思いますね。

ゲーム要素

肝心のゲーム内容ですが、基本的には王道とも言えるターン制コマンド選択式RPGです。行動速度をもとに順番が決められ、キャラクターごとに行動選択していく流れは今どきは珍しい懐かしさとともに、次の手番や敵の行動を予想する思考的な面白さがあります。
上の画像の左上にある宝石のようなジェムは、プレイヤー側のチームで共有となる魔力のようなもの。毎ターン1ずつ付与されていくのですが、行動のために消費することにもなるので、どのタイミングで消費するか考えるリソース管理的な要素にもなっています。
また行動によってはダイスを振って効果を確定する場面も。アナログゲームのような運要素で、ダイスを振る(ボタンを押す)指にも力が入ります。

フィールドも当然カードで表現されており、裏面になっている未探索エリアに近づくと裏返って表面が表示されるようになっていきます。新しい町を探したり、宝箱を探したりといった探索要素にもなっていて、私は毎回すべてのカードを開くように探索を行っていましたね。

プレイヤーや仲間たちのレベルアップや装備品を揃えるような要素もあり、戦闘に限らず王道のRPGといった趣き。
最近はRPGといえば3DグラフィックのアクションRPGが多いのですが、改めてゆっくりと考えるRPGをやりたい!という人におすすめできる作品だと思いますね。

シナリオ要素

クリエイティブディレクターとしてヨコオタロウ氏の名前が載っていることからもわかるように、本シリーズはシナリオも少し癖のある展開になっています。ヨコオタロウ氏といえば、ドラッグオンドラグーンシリーズやニーアシリーズなどを牽引した人物。鬱展開……というと安直な言い方ですが、寂しさや切なさのような精神的な辛さをもった褪せた世界観が特徴的な作品かなと思います。

そんな人物を中核に据えていることからも本シリーズのシナリオも……と言いたいところですが、正直に言うとVoice  of Cardsシリーズは少しマイルド他作品のような重いシナリオを求めると物足りなく感じる箇所もあるかもしれません。とはいえ、「癖の強さ」みたいなものはしっかりとありますし、十分楽しめる作品だとは思います。

こういうやつが結構あるので、どちらかというとウェポンストーリーくらいの雰囲気が近いのかも。
ゲーム自体もそこまで長くなく、1作10~20時間程度で終わるくらいですので、短編集的な捉え方がちょうど良いかもしれないですね。

シリーズ自体の説明はこんな感じ。ゲームの雰囲気は掴めたでしょうか?
他にもBGMなどを手掛けているのもニーアシリーズの岡部啓一氏だったり、キャラクターデザインはドラッグオンドラグーンシリーズの藤坂公彦氏だったりと紹介したところはあるのですが、そろそろ本題であるおすすめの話に移りましょう。

おすすめ作品について

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おすすめを紹介する前に軽く説明を。
今回紹介するのは個人的な趣味が多分に含まれます。人によっては別の作品を推したい場合もあるかと思いますが、その点はご了承下さい。

この趣味・主観についてですが、Voice of Cardsを実際にプレイして、楽しかったものをちゃんと紹介したいというのと、途中で「つまらないじゃん」とならずに楽しんでもらえるような作品・順番をおすすめしたいという気持ちを重視しています。それぞれの感想記事も書いていますし、リンクを付けておきますので、もしよければそちらも参考にしてもらえると嬉しいです

1番おすすめ:ドラゴンの島

最初に遊ぶべき作品からいきますが、これはもう1作目の『ドラゴンの島』でしょう。

遠い昔、王国が総力をあげて撃退したドラゴン。
そのドラゴンが復活したとの報せに、王宮は騒然とし、女王がドラゴン討伐のために冒険者を集めることに。

主人公もその冒険者の1人としてドラゴン退治に乗り出すことになる……のですが、世界を救うためではなく一攫千金を目的としている俗物です。
分前が減るから仲間が増えるのを嫌がったりする主人公としては正直不適切なんだけど、なんだか憎めないところもある、そんな人物。

そんな主人公率いる仲間たちが旅をする中で、段々と王国のみならず世界の裏側とも言えるものと対峙していく……というのが大まかなストーリーです。

『ドラゴンの島』は1作目ということもあり、RPG的な要素がまんべんなく詰め込まれています。このRPG的な要素というのはバトル関連もやりこみ関連もですがメタ的な要素も含んでいて、ドラクエのような「RPGと聞いて思い浮かぶもの」を上手く抽出した面白さがあるんですよね。

街の入り口付近にいる老人は「ようこそ、ここはツギの街だ」としか言わなかったりするのも面白い部分。本筋でもこのような王道RPGを参考にしつつ、それをメタ的にふくらませるような箇所が多くあり、読み進めるだけでも楽しめるゲームだと思いますね。

小ネタだけでなくシナリオ自体も上手く展開していき、遊んでいて常に面白いと感じられますし、終盤には大きな展開も待っている……というように、少しひねた面白さと骨子のしっかりした面白さが同居していると言えるのが『ドラゴンの島』です。

ヨコオタロウ氏的なシナリオの面白さを楽しむのであれば、まずはこの作品を遊ぶことをおすすめしますね。
エンディングの分岐もありますし、全て見ることを目標にしても良いかもしれません。

また、他の作品をやる前にこれを遊んでおくことでシリーズの遊び方を知ることができるという点でもおすすめできるものになっています。

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2番目におすすめ:囚われの魔物

2番目におすすめするのは3作目である『囚われの魔物』です。

魔物が世界に蔓延っており、人間と魔物の争いが絶えない世界。
主人公の少女が暮らす地下の村は、ある日魔物による襲撃によって壊滅……。
そこに助けに来た少年ルゴールに手を引かれ、絶望した少女は初めて地上に踏み出すことに。

地下の民が持つ特別な能力、魔物の使役。
この能力を駆使して、少女と少年の復讐の旅が始まる……といったところから物語が始まります。

『囚われの魔物』の特徴は何と言っても魔物を集める要素でしょう。敵を倒した際に確率で魔物を捕まえることができ、それをスキルとして使って戦うことができるんですよね。これによって戦い方に幅が生まれ、自分らしいデッキ作りというようなカードゲーム的な遊び方が実現しています。

また、やりこみ要素という意味でも3作でもっともやりこみ甲斐のある作品になっています。すべての魔物を捕まえるだけでなく、ランクの概念があるので最も高いランクの魔物を集めることを目指すとなかなかに大変ですからね。もちろん普通にクリアするだけであればそこまでやり込まなくても大丈夫。自分の好みに合わせて遊べるのもいいところです。

逆にストーリーについては少し物足りなさが残るような印象もあります。面白くないわけではないのですが、回収しきれていないとも感じていて……。キャラごとの掘り下げもそこまで強くないというか、スキルを自由に変えることができるようになったため、このキャラはこういう性格だからこのスキルを持っている、というようなバトルとキャラストーリーの紐づけ的なのが弱いんですよね。さらには1作目で強烈な引きとなっていたメタ的な要素もあまり無いので、1作目のお話が好きな人には刺さりにくいかも……。

というわけで、『囚われの魔物』は自分らしい戦い方を探究する面白さがあるので、バトルや装備を考えるビルド要素が好きな人におすすめできる作品です。
ただ、ストーリーについては少し気になる箇所もあるのと、魔物集めは他の作品を遊んでいるとより楽しめる要素でもあるので、おすすめ順は2番目としました。

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そこまでおすすめできないかも:できそこないの巫女

申し訳ないのですが、『できそこないの巫女』は3位です。面白くないわけではないのですが、正直に言うと物足りない印象が拭えません。

美しい海に囲まれた、精霊が住まう諸島。
尊呼ばれる女性とその巫女を守る従者が組んで、代々島を維持するために精霊を生きながらえさせています。

本作に登場するのは4組の巫女たち。
そして主人公の青年と巫女になれなかった少女のラティ。
本来いるはずの巫女がいない「終わりの島」を終焉から救うために、4つの島の巫女と従者とであり、助力を請うことに……。

というのが本作のあらすじです。

『できそこないの巫女』の魅力は何と言っても多彩な登場人物でしょう。
4組の巫女と従者が登場するのですが、それぞれストーリーがあるんですよね。1章ごと主役の異なる物語として進んでいくので、短編集的な楽しみ方ができる作品だと思います。

個人的には青の巫女のフィーラ(道具屋の子に見た目が似てますが別人です)が明るくて好きなのですが、従者とのやり取りとその裏にある感情など、短いながらもVoice of Cardsらしいストーリーが流れているのを感じることができます。

白の巫女たちも、いびつではありますが仲の良い組み合わせですし、黒の巫女と従者は悲しい物語として描かれていましたし、赤の巫女は成長譚として楽しむことができると思います。

ですが、短編集的と書いたように、全体的にちょっと物足りないというのも正直な感想。どうしても単発4作品という感じでつながりが無く、中核となっているラティの物語に対する関連性も弱く感じてしまったんですよね。

また、1作目である『ドラゴンの島』の一番の推しポイントであるメタ要素ですが、2作目の本作から一気に削がれていて、そういう部分での面白さも減ってしまったんですよ。

また、RPG的な部分であるバトルやレベルアップ・装備などのビルド要素も、毎章仲間が変わる性質上弱くなっています。そのため全体的に詰将棋的な戦い方になっていて、それがラスボス戦だと顕著になっていきます。
詰将棋的なバトルも思考要素を重視したものになるので面白いのですが、RPGの楽しみ方として、求めていたものとは違ったのかなと。

そんなわけで『できそこないの巫女』は好きなキャラクターがいたり、短編集的なストーリー構成が好きであれば楽しめるかもしれない、というくらいになってしまいます。
もちろん全く面白くないわけではなく、私としては物足りなかったというだけですので、興味が湧いた方はぜひ遊んでみてもらいたいです。精神世界というか別世界的な表現が途中出てくるのですが、それは結構インパクトあって面白いですしね。

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さいごに

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個人的な趣味・主観でおすすめを紹介してみたのですが、参考になったでしょうか?

簡単にまとめると、

  • 王道・メタ要素・ストーリーを楽しむなら『ドラゴンの島』
  • バトル・ビルド要素を楽しむなら『囚われの魔物』
  • 短編集的な物語構成、好きなキャラがいるなら『できそこないの巫女』

ということもできるのかなと。

人によって感じる面白さは違いますし、もっと別の箇所をおすすめしたい方もいるかと思います。その場合はぜひコメントなどでおすすめを書いてもらえると私自身参考にできるので嬉しいです。

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3作目である『囚われの魔物』の記事にも書きましたし、最初にも書きましたが、『Voice of Cards』は3部作として作られてきたとのこと。『囚われの魔物』で最後になるそうですが、もしかしたら数年後4作目やその後の作品についても発表になる……かもしれません。

個人的にはこの仕組みをブラッシュアップしてまた新しい作品を作って欲しいと思っていますし、作る余地というかもっと広げられる素地のあるシリーズだと感じています。

ヨコオタロウ氏など、中核メンバーの余裕ができたときにでも改めてシリーズ再始動してもらえると嬉しいですね。

色々書きましたが、『Voice of Cards』はどの作品も面白い部分のあるシリーズです。少しでも興味の湧いた人はぜひ遊んでみてもらいたいです。
どの作品も別のお話になっているため、どこから遊んでもOK。雰囲気や声優の好みで決めてしまっても良いと思いますよ。

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