こんにちは。譲治です。
少し前になりますが、リズムゲームと他のジャンルのゲームを組み合わせたようなゲームがいくつも発表・発売されていたように思います。
『クリプト・オブ・ネクロダンサー』もそうですし、『MAD RAT DEAD』や『Muse Dash』なんかもありますね。
また、『BPM: BULLETS PER MINUTE』というそのままな名前のゲームもありますし、個人的には『orgarhythm』なんかも忘れずにいたいゲームだったりします。
今回紹介する『No Straight Roads』も同じようにリズムゲームとアクションゲームというジャンルをかけ合わせたゲームで、EDMに支配された世界をロックで取り戻すという少し突飛な設定も相まって興味が惹かれるゲームでした。
難易度NORMALだけではありますが、一気にクリアしてきたので感想を書いていこうと思います。
No Straight Roadsってどんなゲーム?
音楽の力で発電を行う世界。
ロックでスターダムへ駆け上がろうとして主人公のメイデイとズークは、EDM至上主義の権力者によってその道を閉ざされてしまいます……。
悔しさもありつつ仕方ないと自分たちを納得させようとしてた2人の目に映ったのは少ない発電量による停電と、その中で権力を握る企業であるNSRの関連施設のみに電気が行き渡る様子でした。
EDMによる支配という間違いを正すために、2人はロックの力で権力打倒を目指すのです!
『No Straight Roads』は音楽とアクションをかけ合わせた、リズムアクションアドベンチャー。
リズミカルに行動する敵の攻撃を上手く躱し、弾き返しながら、自分たちも攻撃を仕掛けていくことになります。
ゲーム自体は6人のボスを倒すことが目的。
最初のステージ以外は道中に戦闘がありますが、それを抜ければすぐにボス戦なので、ステージごとも目標がわかりやすいんですよね。
ステージクリア型のすごいシンプルなやつ、みたいな。
このステージで使うギミックを教えてくれる的な意味もあるので、ボス戦前の課題をいくつかこなしつつ、身につけることができると思います。
まぁすべてがちゃんと練習になっているわけではないのですが……前座としては順当な作りなのかなとは思いました。
プラットフォームはPS4、Switch、XboxOne、PC(Epic)。
私はPS4版をプレイしましたが、機種によって違いがあるとも思えないので、好きなゲーム機で遊ぶと良いのかなと。
またプレイ時間は6時間程度。
ただ、一度倒したボスに難易度を変更して再挑戦することも可能なので、全て最高ランクでクリアといったやりこみを目指そうとするともっと時間がかかるんじゃないかと思いますね。
リズム×アクション
説明でも書いたように、『No Straight Roads』ではリズムに合わせて攻撃してくる敵の攻撃をタイミング合わせて回避したり、パリィしつつ、合間を見て反撃するのが基本的な戦い方になります。
上手くタイミングがあって攻撃を躱し、反撃に転じられた瞬間は気持ちよく、特にボス戦はリズムと攻撃が合っていてリズム×アクションを強く感じられる瞬間ですね。
個人的にはラスボスであるタティアナ戦の火の玉の合間に発生するパリィのあたりが好きで、結構ノリノリで戦闘をしていました。
ただ、同時にこの面白さがそこまで発揮されないシーンもあるんですよね……。
道中の戦闘なんですが。
敵の攻撃のタイミングがBGMに合っていなかったりして、「上手くリズムに合わせて戦った!」感が薄いといいますか。
あとアクションがぎこちないというか、納得感が薄いのもマイナスポイント。
ジャンプ時の制御や攻撃の距離感などがどれも「ちょっと気持ち悪い」くらいの感覚とのズレがあるんですよ。
そのせいで、リズムに合っていた(本当はずれていたかもしれないけども)と思っても攻撃が上手くできなかったり、敵の攻撃を食らってしまったりといった細かいストレスを結構感じました。
特定の攻撃しかパリィできないのですが、もういっそ全ての攻撃をパリィできるようにしてしまって、気持ちよさ全振り(ただし敵の攻撃の層が厚い)みたいにしちゃったほうがリズム感的には気持ちよかったように思いますね。
もちろん、敵の攻撃を全てリズムにしっかり合わせて上げた上で、ですが。
そうなったら、下手な人は回避を使って攻撃する「アクションスタイル」で戦ってクリアを目指し、上手い人はリズムに合わせて全てパリィしながら進めていく「リズムスタイル」でクリアを目指す、みたいな上達段階を設けられたのかなと。
色々書きましたが、基本的には面白く、またボス戦でのノリノリの展開で感情が上書きされるので、最終的な感想としては「面白かった」になるのが不思議なところ。
ただ、もっと面白くできたとは思います。
そういった意味で「惜しいゲーム」だなというのが本音でしょうか。
納得いかないポイント
リズム×アクションに限らず……というかそっちは「惜しいなぁ」くらいの感想だったのですが、それ以外に納得できないと感じた箇所もあったのでそれも書いておきます。
一番大きいのは主人公であるメイデイの主張。
デジタルアイドルであるサユに対しては「リアルじゃない」と言い切り、切り捨てます。
また、クラシック系の演奏をしていたユィヌへは「つまらない」と言い捨て、最終的にはピアノは破壊してしまう始末。
EDM以外認めないNSRを打倒して音楽の多様性を取り戻す、かと思いきや、ロック以外認めないメイデイがそれ以外の音楽も打倒していく様は敵組織であるNSRと同じ……。
メイデイ、お前も敵じゃねぇか。
あとは突然やらされるミニゲーム。
これが本編よりも数段難しい。
難易度バグってるのでは?と思えるほど難しく、二度とやりたくないというのが本音。
最初の1回は必ずやらされるのですが、これで脱落する人もいるんじゃないかってレベルです。
説明も無く唐突に始まり、いつまでかかるのかもわからないミニゲームをあそばされる……。
正直なんじゃこりゃって思いながら必死にクリアを目指していましたね……。
さいごに
最後はなんだかんだで大団円となるわけですが、ちょっとそこも「なんで?」という部分があり、ストーリーテリングの下手さみたいなものが引っかかりとして残る形になりました。
リズム×アクションというアイディアは面白く、磨けば光るものだと思います。
ただ、その脇を固めるべきところや磨き自体が甘く、本来の面白さまで到達しきれなかったようにも感じています。
面白いっちゃ面白い。
だけどもっと良くなっただろうな、惜しいなという感情が残る本作。
正直4000円や5000円は高いなと感じるので、セールなどで安くなったときや割安になっているパッケージ版を購入して遊ぶのがありなんじゃないでしょうか。
あ、でも音楽は好きですよ。
サユのところの曲とかずっと頭から離れませんし。
サントラが欲しくなりましたね。