(画像:裏サンデー)
こんにちは。譲治です。
ひさびさに更新をしようとしたらPCが変換を忘れてしまって、譲治がすぐに変換できませんでした。
3月はほぼ記事を書いておらず、その数なんと1記事。なぜこんなことになってしまったのかというと、『ELDEN RING』のせいなんです。いやほんと『ELDEN RING』が悪い。面白すぎる。ずっと遊んでしまう。時間があったらPS5を起動して探索を繰り返してしまう。こんな面白いゲーム出すのはもう犯罪ですよ。時間泥棒。発禁にすべき。
そういうわけで4月になってしまったわけですが、ゲーム以外のことは色々やっていて、その中で出会った漫画が今回紹介する『日本三國』です。以前ラジオで少し紹介されているのを聞いて気にはなっていたのですが忘れていて。本屋に寄ったときに真っ赤な表紙の本作に改めて出会い、買ってみたらこりゃすげぇ!と。まだ1巻なのでその全貌は掴めていませんが、良さを説明してファンを増やせたら良いなと思い、今回記事にしてみることにしました。
日本三國とは?
核戦争、疫病の流行により、あり方が変わってしまった世界。
日本もその影響を大きく受け、また大地震もあり、現代社会において不安なく享受している各インフラ、テクノロジー、文化が消滅。政治への不満の爆発もあり、国民の大革命が発生し、日本という国家形態は事実上の消滅を迎えた。
そこから数十年後。
新潟を中心とした東北を支配する聖夷、小田原を首都として関東を支配する武凰、大阪を都に据えて西日本を支配する大和の三国に分かれて覇権を争う三国時代に突入していた。
主人公の三角青輝はそんな時代に愛媛で司農官として農業を管理し、妻の小紀とともに暮らしていた。まだ15歳と若いながらも、孫氏や戦争論といった書物や過去の文化資料にも詳しく、理性的な思考が取り柄。というよりも、「合理的かどうか」という部分を第一に考えるある意味クセの強い人物。義父からは「頭カッチカチの屁理屈男」と呼ばれるほど。
そんな青輝が、とある出来事をきっかけに「登竜門」とも呼ばれる、英傑への仕官を目指すことになる……。
第1巻では、この「とある出来事」と「登竜門」の部分が展開され、青輝やその道中で出会った人物について描かれます。今後お話がどのように進んでいくのかはわかりませんが、多分この巻はプロローグ的な位置づけになるのだろうと感じました。2巻以降どんどん話が大きくなっていくのではないでしょうか?
裏サンデーやマンガワンでも読むことができますが、コミックス化にあたってほぼ全ページ加筆修正したとのこと。でもとりあえず好きな媒体で読んで見ればいいと思います。ほんと面白いので。
ちなみに作者は松本いっか。
ヤングマガジンで『ブクロキックス』というブラインドサッカーの漫画を連載していた漫画家です。そちらは読んだことがないのでわかりませんが、日本三國はなんというか『チ。』とかを読んだときと同じような、インパクトというか熱量を感じたんですよね。パワフルで読んでいて高揚するような漫画なので、ぜひ読んで実感してみてもらいたいです。
推しポイント
現代社会と明治文化の融合
『#日本三國』更新日で御座います。是非読んでくださいませ。ユニバ行きたい。 pic.twitter.com/kEmHYmGPyA
— 松木いっか (@IKKA_neko) December 7, 2021
登場人物たちの服装や、文明レベルなどは明治頃に近い状態ではありますが、西暦でいうと2100年以降が舞台。それもあって、現代にあるものが過去の文化という設定になっています。そこで生まれるのが現代社会と明治文化の融合です。
作者のTwitterにもありますが、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の話が出てきたり、「ウエディングドレス」について語ったり、高速道路の高架に陣取っての長篠の戦いが起きたりと、現代社会では常識となっているものが過去の遺物として登場するという、「違和感を内包した新しい世界」が強い特徴となっています。
かたっ苦しく書きましたが、簡単に言うと「見知ったものが明治の人たちに遺物扱いされている」という不思議な混ざり方をした世界が見られる、ということ。これが魅力的で、各コマの背景描写や最後の年表なんかにも目が行きますね。
理性と行動の融合
説明で書いた通り、青輝は理性の人です。その理性を活かしきれず、田舎で暮らしていたわけですが、ある出来事をきっかけに世界を変えるための行動に移ります。
青輝は武人ではありません。世を変えるために実際に戦って敵将を討ち取るようなことはなかなかできないでしょう。しかし、深い知識と先を見通す視点と達者な口を使って、弁論で周囲を動かしていきます。まさに知ることだけだった青輝が行うことに目覚めるその様は「知行合一」と言えるでしょう。
ネタバレになるので詳しく語るのは避けますが、きっかけの出来事も登竜門の話も、どちらも青輝の知識と機転と弁論が組み合わさって生まれた展開。目先ではなく、はるか先を見て動く青輝だからこその凄みを感じられると思いますね。
さいごに
ひさびさに震えるような読後感を貰えた漫画『日本三國』。
私の文章ではそれを表現しきれなかったのが悔しいのですが、これからも事あるごとに紹介していきたい、もっといろんな人に読んでもらいたいと感じています。
1話は作者のTwitterでも読めるので、そちらから試しに読んでみるのもよいかもしれません。
世界大戦後、日本が三国時代に突入する話 (1/21) pic.twitter.com/f2nxYAnMwo
— 松木いっか (@IKKA_neko) March 10, 2022
最初のきっかけとなる話を読むことができるので。
バトルもののような派手さはありませんが、知力で世界を変えんとする青輝の活躍をこれからも楽しみにしたいと思います。