
Webの記事を読んでいた時に目に入った、少し不穏な雰囲気の画像。
電話ボックスの持つ怖さや色合いの違和感……そしてタイトルにもなっている『トガネヨビ』という知らない語感に対しても何か不穏な気配を感じたのです。
そんなわけで気になっていた本作をプレイし、クリアしたので感想を書いていこうと思います。
多少ネタバレもしてしまうかもしれません。ご注意を。
トガネヨビとは?
午前2時、旧公衆通信機で11の番号へ接続すること。
注意事項は以下の通り。
・絶対に順番を間違えてはいけない
・人の声が聞こえても会話をしてはいけない
・何か問われた場合は”私はクギビトです”と答えなければならない
・通信BOX内で携帯を使用して誰かと通話してはいけない
『トガネヨビ』は高額の報酬に釣られて参加してしまった主人公ハチスカユウキとなって、闇バイトのような業務に参加することになります。
描かれる場所は電話ボックスの中のみ。そうつまり、この電話ボックスからの脱出を目指すのが本作の目的です。

ゲームで出来ることは「電話をかけること」。
ただし、それだけでは脱出を果たすことはできません。
持ち込んだスマートフォンを活用して、情報を手繰り寄せていき、脱出のための道筋を自分の手で作り上げる必要があります。
でもここにいるのは自分だけ。頼れる仲間も導いてくれる先達もいない環境で、電話ボックス内で得られる情報だけを頼りに、正解を導く推理パズル……というのが本作のゲームプレイ部分だと言えるんじゃないかと思います。
Web ARG的な推理要素

本作でとても大事なツールとなるのがスマートフォンです。
電話先のリストなどもあって便利なのですが、それよりも重要なのが検索機能。
気になる単語を調べて情報を手に入れ、それを元にまた電話をかけ……と繰り返していくのが本作の基本的な捜査スタイル。
通話の中で聞こえてきた知らないワードや電話番号自体も調査対象となるので、様々な要素を見逃さないように気をつける必要があります。
また、捜査したら終わり……とはならないのが、本作の推理要素。
手に入れた情報を元に脱出のための手順を把握し、手順を実行するための情報も集める。その情報を集めるためにも様々な出来事をまとめて整理して……というように、自分自身が実際に調査した内容を精査・整理して実行する必要がある、というわけです。
この流れが近年流行した『かがみの特殊少年更生施設』などのWeb ARGとも近い感覚だったんですよね。
あちらは実際のWebサイトを調査して検索して真相を見つけ出す……というような流れですが、『トガネヨビ』でも検索をうまく使って得られた情報をまとめ上げて脱出を目指すという構成になっていて体感がかなり近い。

その上で『トガネヨビ』はデジタルゲームであることを活かして、GameOverを組み込むことで、何度も何度もループして繰り返しながらヒントを手に入れていく、ということができるようになっているんですよね。
むしろGameOverになることによって得られる情報があったりもするので、序盤はチュートリアル感覚でハチスカが死んでいくのを眺めることに……。
死ぬこと自体を調査の一貫として割り切ってからが本番ですね。
あと、情報がかなり多くなるので、メモを用意し始めたら本格的にこのゲームにハマってきた証。
ゲーム内のスマートフォンにもメモは取れるのですが、情報が多いので最初からメモ帳を用意してプレイした方が楽しめるんじゃないかな。
丁度良い塩梅のホラー感

タイトルにも書いていますが、本作はホラーです。
とはいえ、めちゃくちゃ怖くてプレイできない……という程のものではないのかなと思っています。まぁ人によって違うとは思うのですが。
気がついたら背景がおかしくなっているような要素と電話先の状況が明らかにおかしいというサイコホラー的なもの、そしてたまに出てくるジャンプスケアが本作の怖がらせ要素。
びっくりすることもあるのですが、ジャンプスケアはそこまで多くはないので慣れてくると驚くこと自体が減るんじゃないかと思いますね。
とはいえ、雰囲気は十分。
夜の電話ボックスで電話をかけていたら何かがおかしくなっていき……という状況を味わうことができる演出はしっかり入っています。
そういった意味でも、怖すぎず、でも雰囲気を味わうことができる本作の空気感はちょうどいい塩梅なのかなと感じましたね。
さいごに

驚かされるような演出もあるにはあるのですが、それよりも謎を解き明かしていく気持ちよさ、繋がっていく快感が印象的なゲームでした。
ぜひメモ帳を片手にプレイしてもらいたい1作ですね。
平均的なゲームプレイ時間はわかりませんが、私がクリアまでにかかったのは3時間ほど。
「何をすればよいのか」がわかってからは、そこまで迷うことなくプレイできるんじゃないでしょうか。
現時点ではSteam版のみなんですが、ホームページを見る限りではスマートフォン向けの対応も進めているようなので手軽に遊べるようになるのかもしれませんね。
短めだけどしっかり楽しめる推理・脱出系のゲームを探している人におすすめの作品でした!