こんにちは。譲治です。
今回は先日のゲームログにも書いた『未解決事件は終わらせないといけないから』について、感想を書いていこうと思います。
未解決事件は終わらせないといけないからってどんなゲーム?
#未解決事件は終わらせないといけないから
— SOMI 소미 🏳🌈 (@indie_somi) December 17, 2023
トレーラーを公開します。
"この事件、初めて接したときにすごく驚いた覚えがあります。誰もがそれぞれの理由で嘘をついてました。"
- 犀華が失踪してから12年、明らかになる2つの真実 -
<ウィッシュリスト : https://t.co/dLDyaWyCPu > pic.twitter.com/tWCrk5zP8E
12年前に発生し、未解決になっている「犀華ちゃん行方不明事件」。
公園で遊んでいた少女・犀華が行方不明になったという通報があった。
警察は聞き込みと捜索を繰り返したものの、事件は解決せずに未解決事件となってしまっている……。
この事件に決着をつけるため、バラバラになった記憶の欠片を思い出し、再構成することで、事件の真相を探ることになる。
『未解決事件は終わらせないといけないから』は過去の会話を読みながら、関連する言葉をつなぎ合わせていくパズルアドベンチャーです。
警官の行った聞き込みの内容をもとに、相手が誰なのか、いつのことなのかを明らかにしていかなければなりません。そのためには会話の内容から真相を推測し、何が起きたのかを考え、それを辿っていく必要があります。
この構造によって、ただのパズルではなく、ミステリーに挑んで実際に考えながらプレイすることが出来たように思います。実際に事件を推理するような特別な体験でしたね。
開発を行ったSOMI氏は、『Replica』や『リーガルダンジョン』、『The Wake』と言った作品をリリースしているインディークリエイター。『Replica』は他人のスマートフォンを操作して中身を暴き、私生活を覗き見るようなゲームで、『リーガルダンジョン』は警察官となって操作書類を作成していくゲームです。このように少し癖の強いゲームを開発している人の新規タイトルとして発売されたのが本作となります。
プレイ時間は2~3時間程度。
私は2時間半でクリアすることができました。
プラットフォームはSteamです。先程挙げたほかタイトルはスマホやコンシューマへ移植されていますし、もしかしたら本作も後々別プラットフォームでプレイすることができるようになるかもしれません。
記憶を整理していくゲーム
実際にプレイしてみて感じたのは、記憶を整理していくゲームなのだな、ということでした。
最初は上の画像のように中身も思い出せない状態のパネルが点在する状態。
ですが、関連するキーワードと結びつけることでその内容が開示されていきます。
開示されたパネルを時系列に即して並び替える必要もあります。
並び替えがうまくいくと会話のパネルが繋がっていき、全体が整理されていくことに。これによって、いつ誰が何を話したのかの輪郭がゆっくりと見えてくるのです。
また、単純につなぐ、並び替えるだけでなく、ロックしている要素を取り払わなければならない箇所もあります。種類は3種類で、「理由となる要素をセリフから見つけ出すもの」「該当の日付を探し出さなければならないようなナンバーロック」「鍵によって閉じられているもの」。鍵はパネルごとの並び順を正すと手に入れることができます。
上の説明にも書きましたが、パズルを進めるために行う「会話を読む」「順番を並び替える」「何が原因なのかを探る」というような行動によって、実際にこの未解決事件を思い出し、情報を整理していくような感覚を得ることができる、というのが素晴らしいポイント。
ただただパズルをしているのではなく、実際に捜査を行っているような、追体験しているような感覚。正しい組み合わせを探すのではなく、真相を知りたいという欲求が湧いてくるのを感じました。
パズル系のゲームをプレイしていると物語を進めたいというのもありますが、それだけでなく……というよりはそれ以上にパズルを正解したいという気持ちになることが多かったりします。私だけかもしれませんが。
そうなると、物語は正直どうでもよく(というと言い過ぎか。モチベーションではあるけどもメインではないような感覚、というのが正しいかも)、パズルと向き合うだけになってしまいます。パズルはパズルで面白いですし、そのゲームの持つ世界観によって作られたものなので、ストーリーも読んではいるのですが、それでもやっぱりパズルの方に目が行ってしまいます。
その点、本作は違うんですよね。
パズル自体が物語になっている、とでも言うべきか。
パズルを解く行為がアドベンチャーパートになっている、とも言えるかもしれない。
そんな、他のパズルゲームとは異なるからこそ、最後に出会う真相に対して、どのように受け取るべきか悩んでしまう、というわけです。
この物語の登場人物は誰も彼もが嘘をついています。
そのせいでこの事件は未解決になってしまったと言えるでしょう。
誰かから聞くのではなく、実際にプレイして、パズルをして、推理を進めて、真相にたどり着いて欲しい。そう感じるゲームでした。
さいごに
3時間にも満たない時間でプレイできるゲームです。
でも、だからこそ、濃密な推理の時間があったように思います。
このゲームがもっと長いものだったら間延びしていたかもしれない。
もっと短く終わってしまったら、真相にたどり着いたときの衝撃は薄まっていたかもしれない。
そう思えるくらい絶妙な体験でした。
ぜひ、何が起きたのかを考えながら、いつのことなのかを推理しながら、誰が話したことなのかを検討しながら、読み進めてもらいたいです。