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ゲームレビュー:Unpacking 1人の女性の人生を追いかける荷解き旅

こんにちは。譲治です。
引っ越しをして新しい場所で暮らし始めるときって新しいことが始まる期待感がありますよね。荷解きをしながら部屋を自分らしいものに変えていくのは嬉しく、ここで新しく暮らしていくことを考えるとワクワクする。そういう体験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?

本日紹介する『Unpacking』は荷解きをするゲームです。
1人の登場人物の人生を追いながら、自分の部屋を手に入れたときや大学生になって一人暮らしを始めたとき、同棲を始めたときなど、様々なライフイベントとともに来る引っ越しを体験することになります。といっても、我々がするのはダンボールから荷物を出して、ものをしまっていくことだけ。そこでどんな生活をしていくのかを直接見ることはできません。でもその荷物から感じることの出来きる生活感をもとに、どんな人生を送っているのかを想像し、物語を読み取っていく。それが本作のストーリーテリングとなっています。

荷解きするだけ?と訝しむのはわかります。
でもその先に、またはそこかしこに散らばる物語を拾い集めながら進んでいく体験もそれなりに面白いもの。少し試してみるのはいかがでしょうか?

『Unpacking』ってどんなゲーム?


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『Unpacking』は2021年にリリースされたゲームです。内容は最初に説明した通り、引っ越し後の荷解きを繰り返すだけ。でもその荷物や部屋から感じられる主人公のストーリーを垣間見ることができるようになっています。これがこのゲームの特徴で、荷解きとその荷物をどこにしまうのかという部分はある種のパズルと言えます。どこに何を配置するかはある程度自由なのですが、一部特定の箇所に配置しないといけないものが存在します。

油を棚の中にしまわないといけないとか、タオルはお風呂場に置いておかないといけないとか、そういうやつです。すべての荷解きが終わると赤く光って間違いを指摘されるため、これを正しい位置に配置しなおさなければなりません。また、引っ越しには付き物ですが、部屋ごとに割り振られたダンボールに別の部屋のものが紛れ込んでしまうことも。これらを正しい場所へ持っていくのが『Unpacking』におけるパズル要素となります。

が、パズルはメイン要素ではありません

少なくとも私はそう思っているのですが、これはやっぱり一人の人間の人生をポイントポイントにフォーカスすることで想像を働かせてそれぞれが補完することを目指したストーリーを持ったADVです。今回の主人公の人生はこうだったけど、他の人はまた別の荷解きがまっているはず。そう考えるとシリーズ化してもらいたい気持ちが高まっていきます。

ゲーム自体は2~3時間程度でクリア可能。
プラットフォームはSwitch、PS4、PS5、Xbox、PC(Steam)となります。

気になった人は好きなハードで試してみてもらいたいですね。

良かったところ

ダンボールが減っていくのは心地よいですし、また荷物がそれぞれしまい終わったときも嬉しいものです。いろいろなものがふさわしい箇所に収まって、「自分の部屋になった瞬間」とでも言うんでしょうか。その気持ちよさを感じることができたように思います。

また、ずっと使っているもの、引っ越しを経ても残り続けているものというのも良かったなと。この人にとって大事なもの、というのが伝わってきて、最初はただの置物だったものが段々と大事なものを置く場所に収まっていくような……自分が実際に物事を経験しているかのような体験。ある種のナラティブなストーリーテリングと言っても良いものだったと感じています。

更に何とは言いませんが小ネタもあって、そういう部分でも楽しめましたね。

気になったところ

さっきも貼った画像ですが……。
間違いとなった際に「何を動かせばよいか」はわかるのですが、「どこに動かせばよいか」がわからない……。いやパズルだから当然では?と感じると思いますが、そもそもこれが何なのかがわからないことが結構あるんですよね。上の画像のものくらいのサイズであればまだなんとかなるのですが、もっと小さいものや、日本人には馴染みの少ないものだと、それがどのように使われるものなのか、どの部屋で使われるものなのか、しまっておくべきなのか、みたいなところがわからないため、修正の方針も立てられないことも。そうなると次にやるのは総当たりですよね。ひたすらいろんな場所に置いてみるという、荷解きでも何でもない試練が始まってしまいます。

個人的には右クリックとかで、アイテムの説明が見られると良いなぁと思ったりしましたね。なんのために使うものなのかの情報を見るだけでなく、それにまつわるエピソードがあったりすると、読みふけって片付けられないあの現象も再現できそうですよね。

あと、気になったのは下着をしまうことが多かったことでしょうか。
単純に数が多いこともあり、ちょっと気まずい。
人の部屋を漁ってるみたいでなんか、ごめん!みたいな気持ちに……。

さいごに

自分の部屋を手に入れるところから始まり、生活の場としてどのように生きて行くのかを垣間見ることができるゲーム『Unpacking』。何度も書きましたが、その時々でどのように暮らしているのか、誰と暮らしているのか、どんなことがあってどのように考えているのか……そういったことを荷解きという行動だけから感じることができるゲームというのが面白く、一気に遊んでしまいました。
各部屋ごとに配置が終わると荷解きの様子を改めて見ることができ、それをGIF化することも可能。改めて見直すと意外と本の並びにこだわっていたりとか、客観的に見ることでわかる特徴なんかもあって面白いですね。本当だったら今回の記事にも貼ろうと思っていたのですが、アップロードがうまくいかないので諦めました……。

サクッと遊べて、他のゲームとは違った遊び味を味わうことができる本作。様々なハードで遊ぶことが出来ますので、気になった人はぜひ手にとって見てもらいたいです。