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ゲームレビュー:イハナシの魔女 体験版 沖縄の離島を舞台に異界の魔女との出会いを描くシンプルなADV

こんにちは。譲治です。
Steamで開催されていたNext Fes。今後発売を控えているゲームの体験版を遊ぶことができるイベントなのですが、いくつか遊んでみたいと思っていたタイトルが参戦していることを知ってDLしてきました。

今回はその中でもビジュアル面で気になっていた『イハナシの魔女』。こちらをプレイしたので感想を書いていこうと思います。沖縄が舞台となる本作。はたして、その魅力を体験版で感じることが出来たのか……。

西銘光とリルゥの出会い

主人公である光の沖縄への引っ越しが決まるところから物語は始まります。
光は高校1年生。時期は3月。もう少しで2年生に上がるタイミングでの引っ越しですが、既に決定事項であり、光にはそれを覆すことはできません。
引っ越し先は渡夜時島という離島に住む祖父の家。そこで光の新たな生活が幕を開けることになるのです。

……が、実際に行ってみると祖父は不在。
隣家の人の話では祖父は半年前に姿をくらましており、転校予定の高校には連絡がなく、叔母たちにも連絡がつかない状態。
実は叔母たちは会社の経営失敗のため高跳びをしており、実の息子ではない光を置いていってしまったという状況でした。

見知らぬ土地で家もなく、所属できる学校もなくなり、戻る場所もなくなってしまった光。
そんな中であったのがリルゥという少女でした。

リルゥはビジュアル通り、日本人らしからぬ容姿を持ち、現代日本とはかけ離れた文化・価値観を持った女の子。当然島になじんでいるわけではなく、隠れて暮らしているような状態です。

保護者や人間関係をすべて失った主人公の光と常識の面で孤立しているリルゥの出会い、そして不思議な共同生活が始まる……といったところまでが今回触れることの出来た体験版でわかった内容。これからどのように話が展開されていくのか?リルゥの持つ「魔法」の力とは?また他にも「島一番の美少女」である赤摘明の存在などわからないことはたくさんあり、どのように話が展開されていくのか気になります。

ADVとして

Steamのストアページにもある通り、本作は「オーソドックスなテキストアドベンチャー」です。言い方を変えると昔ながらのADV。少なくとも体験版では特別な操作などは要求されず、ただただクリックして読み進めていく形式でした。
また、ゲームの特徴として「どこまでも一本道ノベル」という表現も使われていて、実際体験版では選択肢は1つも出てきませんでいた。ある意味潔いほどシンプルで、体験としては読書などに近いかも。普段ADVをやらない人はもちろん、選択による変化を楽しみたい、介入したいタイプの人には不向きかもしれません。

また、背景は写真を加工したようなものがほとんどで、キャラクターが浮いているような印象も。個人的には色々懐かしい気持ちが蘇ってきて好ましい評価ではあるのですが、このあたりも慣れない人へのある種のハードルになってしまうかも。もともと私もメインビジュアルしか見ていなかったので、ゲームを始めてから結構びっくりしましたしね。

懐かしい体験や、ただビジュアル付きで物語を読み進めたい人向けのADVだと言えると思います。

さいごに

ストアの説明などでは「琉球文化」という表現をよく目にします。上の項目でも書いたリルゥの扱う異界の魔法と馴染みの無い琉球の文化がどのように絡んでくるのかという部分も気になるポイント。沖縄の文化ではなく敢えて琉球文化と書くからには重要なファクターになってきそうに思うのですが、残念ながら体験版では思っていたような要素はあまり出てきませんでした……。

ちなみにタイトルについている「イハナシ」とは、沖縄の言葉で伝説や言い伝え話を指すとのこと。魔法はある意味伝説ですし、沖縄の民話や伝承は興味深いものが多いので、それらがつながってくるのかも……?と勝手に想像を膨らませています。

最後まで遊ぶと出てくる画面では、パッケージ版の頒布予定が公開されていました。また、PCでも製品版として2022年夏にリリースという話も出ています。Steam、BOOTH、DLSite、そしてコミックマーケットでのパッケージ版になりそうですので、気になった人はしっかりチェックしておくと良さそうです。

 

今までプレイしたADVの感想はこちら