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ゲームレビュー:古城サンピネルの66の懺悔 SCRAPというブランドに引きずられた8番ライク

toiu

『8番出口』に影響を受けた間違い探しのようなゲームスタイル「8番ライク」。
このジャンルにリアル脱出ゲームのSCRAPが乗り込んできました。
そのゲームの名前は『古城サンピネルの66の懺悔』。

9/4にリリースされたばかりの本作をプレイして、エンディングまで到達したので感想を書いていこうと思います。
結構もにょったので、そのあたりはネタバレありでいきます。

古城サンピネルの66の懺悔とは?

www.youtube.com

物語の舞台は中世ヨーロッパの小さな古城。
その古城に訪れる謎の男を怪異と判断して銃で撃つのか、それとも問題なしと判断してベルを鳴らすのかを判断していきます。
判断基準となるのが異変の有無。
8番出口よろしく異変が発生するので、何かがおかしいと感じたら銃を手に取りましょう。

異変へ上手く対処できるとカルテとして異変の概要を読むことが可能に。
そこに記された内容から「古城で何が起きたのか」を推察することができるようになっていきます。

この古城は何なのか?
異変や謎の男の正体は?

異変を見つけ出すだけでなく、物語を進めていく要素が入った「8番ライク」と言えるでしょう。

クリアまでは4時間~7時間程度でしょうか。
変に引っかからなければもっと早いのかもしれません。
プラットフォームはSteamなんですが、SCRAPの各店舗でパッケージ版も発売されているとのこと。
SCRAPファンはコレクションアイテムとして入手するのも良いかもしれませんね。

www.scrapgoods.jp

66の異変探し

説明でも書いたように、本作は通常状態と異なる箇所、つまり異変を見つけることが目的の間違い探しゲームです。
以前私がプレイしたことのあるタイトルだと、『8番出口』『新幹線0』『迷央十丁目』とかですかね。
本作でも様々な異変を見つけ、そして進む(ベルを鳴らす)か戻る(銃で撃つ)かを選んでいくことに。

普通に見ていれば分かるものもありますし、周囲をしっかり見ないとわからないものも当然あります。
それらを必死に覚えていくことで、段々とこの古城(というよりは礼拝堂)の構造が頭に入っていく……。たぶんあの部屋の間取り図全部書けるはず。

この異変を見つけるというシステムは同ジャンルで何度もプレイしたので、特別感は特にありません。
古城ならではの異変というのもそんなに多くなく、驚きもあまりなし。
ジャンルに慣れている人だと、まぁこのあたりだろうと当たりをつけることもできると思います。

つまり、普通の異変探しということ。
8番ライクを普通に遊びたい人であれば、普通に楽しめる、というくらい。

全然悪くないのですが、この要素自体に目新しさはなく、お手本に忠実という感じですね。

物語を進めていく異変探し

説明でも書きましたが、本作の最も大きな特徴は「物語を進めていく」という要素です。
『8番出口』をプレイしたことがある人であれば分かると思いますが、この手のジャンルは物語が無いものが基本です。
ただただ異変を探して出口を目指すというだけ。

それに対して『古城サンピネルの66の懺悔』では自分が何者なのか、古城は何なのか、などの情報を追いつつ物語を進めていく、という流れになっています。
それも、カルテを読みつつ、何が起きたのかを考えるという形式なので、プレイヤーが自分から考えて読み解くことが求められます。

タイトルの通り66ある異変を見つけることで、古城で何がおきたのかを探っていく仕組みで、ストーリーを取り入れたというのは、ジャンル的に新しく、価値のあるデザインだと感じましたね。

とは言え、それがモチベーションとなるかと言われると微妙なところ。
大体こういう話だろうと想像できてしまうのも気になる……。
関連してもっと大きな部分で気になることもあるのですが、それは次の項目でお話しましょう。

ともあれ、ストーリーという要素を入れ込んだのは良いのですが、それ自体にあまり面白みを感じられないというのがもったいないポイントでした。

「SCRAPらしさ」の異変探し

本作はリアル脱出ゲームで有名なSCRAPが手掛けたゲーム……なのですが、SCRAPらしさが見当たりません。
少ないながらも複数回リアル脱出ゲームに参加したことがあるというくらいの私目線だと「ただの8番ライク」。

途中で出てくる薬やら現実時間とリンクしている時計やら、そういった小物がどこかで効いてくるのだろうと。
カルテの情報をそのまま受け取るのではなく、何か別の読み解かなければならないものがあるのだろうと。

そういった要素を探しながらプレイしました。
でも特に解くべき謎はなく、物語の本筋もペストマスクの男が解説してくれるという親切設計。

謎解きや脱出だとはどこにも書いてないのですが「SCRAPが贈る」という言葉があると、何かあるのだろう、何かあってほしい、と思ってしまうというのがブランドのパワー。
ただ、本作では変に期待が膨らんでしまうということに繋がってしまったように感じています。

さいごに

個人的な評価としては

  • 8番ライクを遊びたいのであれば普通に楽しめる
  • ストーリーを入れたのは偉いが内容がいまいちだし、もっと仕掛けがほしい

となり、特別良い作品だとは感じませんでした。

SCRAPが関わっているので脱出や謎解きの要素を期待したのですが、肩透かしを食らった格好に。
ただ、そもそもSCRAPが関わっているという話がなかったらプレイすらしていないように思うので複雑ですね。

プロモーションとしてSCRAPのブランドを使う事自体は目を引く要素だと思いますが、同時にハードルというか期待値も上がる……。
となると、本作はSCRAPらしさをしっかり入れなければ行けなかったんでしょうか。

私個人としてはいまいちのゲーム体験になってしまったのですが、普通の8番ライクとしては楽しめるゲームだと思います。
逆にリアル脱出ゲームが好きな人は、そういう要素が感じられないものだと思ったうえでプレイすることをおすすめします。

気になったひとはSteamでプレイできるので、よかったらどうぞ。