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ゲームレビュー:Jusant 崖を登ることで世界を感じるアクション登攀パズルアドベンチャー

こんにちは。譲治です。
最近はモンハンやドラクエをやっていたのですが、その合間に少しゆっくりとした時間を過ごすことができそうなゲームをプレイしたので紹介します。

そのゲームの名前は『Jusant』。
フランスの航海用語で、潮が引いていることを指す言葉なんだとか。

言葉が示すように、ゲームの舞台となる場所は、枯れ果ててしまった土地。
昔は水があったような要素やメモなどもあることから、まさに水を失い、潮が引き、乾ききってしまった場所、と言えるでしょう。

そんなところに来た主人公は、なんと崖を登ってその頂上を目指すことに。
左右の腕で突起にしがみつき、上へ上へと進んでいく姿はかなりストイックに映ります。

彼を操作してなんとか頂上を目指して登っていくアクション登攀パズル。
それが『Jusant』というゲームなのです。
そんなゲームのどこが良かったのか。感想と一緒に書いていこうと思います。

Jusantってどんなゲーム?

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『Life Is Strange』『Tell me Why』などで知られるDON'T NODが開発したゲームです。
ジャンルは正確に伝えるのは難しいですが、アクション登攀パズルアドベンチャー、といったところでしょうか。
プレイヤーを操作して崖を登っていくゲームなのですが、何も考えずに登り続けるだけ、というわけではありません。
ルートがすぐに見つからなかったり、ロープをうまく使って離れた位置へ移動したり、風向きを読んだり、植物や動物を利用したりと、様々な手段を用いて登攀ルートを見つけ出す必要が出てきます。

また、このゲームの崖登りは操作も独特。
私はPS5でプレイしたのですが、L2とR2を交互に引くことで左手・右手を操作し、様々なところを掴んで登っていくんですよね。

さらに、ハーケンを使ってロープを壁に打ち込むことで、もし落下しても最初からやり直さなくても良くなるような保険を作れたり、掴み続けているとスタミナが切れてしまうので腕を休ませなければならなかったり、伸ばしすぎると限界が来るということもあり、地面に到着する度にロープを自分で巻き取る(◯ボタン長押しですが)必要があったりと、全体的に手間が多い作りになっています。
……「手間」と書きましたが、これが逆に良い味を出していて、何度も繰り返すことで段々と自分の「登攀テンポ」のようなものが作られていくんですよ。
その淡々としたリズム感が程よく心地良い……。そんな不思議な体験ができるゲームだと思いましたね。

また、そこまで厳密ではないのですが、実際に体を操作して登っていくような印象に繋がるというのもあります。(多分こっちのほうが開発者側の意図だと思いますが)
これでも便利にされているのはその通りなんですが、全部自動化されているわけではないからこそ、実感できる「本当に登っている感」。
他のゲームでは体験しにくい、特別なフィーリングだと感じましたね。

そんな本作はPS5・Xbox・Steamなどでプレイ可能。
クリアまで5時間程度なので、軽い気持ちでプレイできるゲームです。

風ノ旅ビト的な体験

個人的に感じたのは『風ノ旅ビト』的なゲームだな、ということ。
手段も限られる中で先へ先へと進んでいく……。
物語は多くを語らず、見たものや聞いたもの、そして実際に乗り越えた地形などをもとに、プレイしたユーザーが想像して補完していく。
昔住んでいたであろう人々の行く末や相棒?のようなバラストという存在の秘密についてなど、わからないことが複数ありますが、ゲームから明確な回答をもらうことはできません。
多分こういうことなのだろうと考え、不定形の物語に浸る……そんな体験になります。

「雰囲気ゲー」というようにも呼ばれることがありますが、まさにそれ。
雰囲気が良い。それだけで良い。
テンポよく登っていくことが感じられるフロー感と、風や水の音。
リラックスするためのゲーム、という言い方でも良いかもしれません。(ちょっとだけ難しいところがあるので、そこはリラックスできないかもしれませんが)

あ、誤解が無いように言っておくと、本作はシングルプレイのゲームです。
なので、『ABZÛ』的と言う方が近いかも。

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そこまで難しいことを考えずに、目の前の壁のことだけを考え、登っていく。
それだけのゲームなんですが、それが良いと思えるゲームでした。

イマイチなテキスト類

上で書いたようなフロー感、雰囲気に浸る感覚を邪魔する存在があったのは、ちょっともったいない要素でした。
それが世界観を補足するテキスト類です。

すごいたくさん落ちているわけではないですし、読まなくても良いのですが……一度取ってしまうと長々つきあわされる感覚が強い……。
風景や音などでどういう世界なのかを感じるのが面白いのに、テキストであーだこーだ言われるのはちょっと無粋。
二言三言であればまぁ良いかとなりますが、登場するテキストはめちゃくちゃ長くて驚愕します。

雰囲気を崩し、テンポを止め、急に長文を読ませるこの仕組みは邪魔としか言いようがないんですよね。
別の方法でやってくれたら最高だったのに……と思わずにいられません。

さいごに

壁登りとちょうどいい塩梅の物語を体験できるゲームでした。
微妙な要素もあるにはありますが、大部分は雰囲気を体感できるゲームになっていて好印象です。

DON'T NODのゲームとして考えると他とテイストは異なりますが、今後もちょっと変わり種みたいなゲームを作ってくれると嬉しいですね。
いや、『Life Is Strange』的なアドベンチャーも好きなんですけど、他の体験もしたいじゃないですか。

他のゲームとは異なる遊び感を求めている人や、雰囲気の良いゲームを探している人におすすめのゲームです。
よかったらプレイしてみてください。

アクションアドベンチャーのレビュー記事はこちら

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