ごはんと同じくらい大事なもの

ごはんを食べるのと同じくらい生きるために大事なものたち。

ゲームレビュー:Marvel's Spider-Man2 2人のスパイダーマンが憎しみや傲慢さと向き合う少し暗めな物語

こんにちは。譲治です。
12月が近づき今年もラストスパートな時期になりましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私は去年よりも多く記事を書くと言っていた記事と総記事数に何度も見ながら、記事数が全然少ない状態に驚愕しているところです。何度も書いていますが、ゼルダの伝説やFF16などの大型タイトルが多く、記事を書く前に次のゲームがリリースされるもんだからゲームをするだけでいっぱいいっぱい。ちょこちょこと細かいインディータイトルなどもプレイしようとしているから更に圧迫され、注目していたゲームを逃したりもしています。

そんな注目していたゲームのうちの1つが今回紹介する『Marvel's Spider-Man 2』。10月20日に発売されていたのですが、別のゲームをやっていてプレイするのがこの時期になってしまった作品です。初作の『Marvel's Spider-Man』や前作の『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』も楽しくプレイしましたし、マーベル作品が好きということもあり、期待していた1作です。思うところもあるのですが、それも含めて紹介していこうと思います。

Marvel's Spider-Man 2ってどんなゲーム?

www.youtube.com

ニューヨークを守るヒーローとして有名なスパイダーマン。
そのスパイダーマンを主役としたゲームが本作『Marvel's Spider-Man 2』です。

1作目となる『Marvel's Spider-Man』は2018年にPS4向けにリリースされ、2020年にはPS5向けにリマスター版が発売されています。主人公は初代スパイダーマンであるピーター・パーカー。『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』も2020年に発売されていて主人公は2代目スパイダーマンのマイルス・モラレスとなっています。こちらは続編というよりも外伝的な内容で、ゲーム自体も少し短めでした。

www.pastime-log.com

その2作それぞれの主人公が合流し、1つの作品となったのが本作『Marvel's Spider-Man 2』。ピーターとマイルスの2人が主人公として登場します。

基本的にはオープンワールドのニューヨークを自由に飛び回りながら好きなミッションを進めていく形式。その際に操作したいキャラを選択することも可能です。ピーターでニューヨーカーを助けたり、マイルスでニューヨークの町並みの写真を撮ったりと自由に変更しながら遊ぶことができます。
ストーリーミッションや一部のイベントはピーターかマイルスかの指定があるので、その時だけ該当のキャラに切り替える必要はありますが。

www.youtube.com

戦闘は基本的には敵に対して通常攻撃をしかけつつ、ウェブを使って動きを止める、敵を引っ張る、ガジェットを使った追加攻撃や行動制限、アビリティを使った高ダメージ攻撃や範囲攻撃を繰り出すことで敵を倒すのが基本的な流れになります。色々書きましたが操作は簡単で、基本的にはボタンを連打しておけばOK。ただ、タイミングよく回避したりパリィをする必要もあるので、そちらに意識を割く必要があるタイプですね。

いくつかスクリーンショットも撮ったのですが、戦闘中はうまくいかない……。

こんな感じでブレちゃったりして何がなんだかわからないので、上のゲームプレイ映像を見てもらうのが確実です。

クリアまではおよそ20時間くらい。
サブミッションはあまり触れていないのでそれもあるかもしれませんがコンパクトにまとまったゲームという印象でした。ただもう少しストーリーを見たかったとも感じていまして……。ちょっとこの後あれこれ書いていきます。

シンビオートによる力と解放される傲慢さ

前作の最後、エンドクレジットで描かれていたノーマンとその息子であるハリー。本作ではハリーが病気から快復して登場し、ピーターたちと再開します。
親友である2人は昔を懐かしみつつ、夢に向かって再始動していくのですが、ひょんなことからハリーもスーパーパワーに目覚め、スパイダーマンであるピーターと一緒にヒーロー活動をすることに。というのもハリーの病気はシンビオートとの融合によって治していた状態なので、その力を使うことができるんですね。

このシンビオートの力はその後ピーターの元へと渡ります。そこで段々と現れてくるのが、シンビオートに侵食されることによる精神面の変化。より具体的に言うと、自分の凶暴性や傲慢さの強い表出です。

今作の重要なテーマのうちの1つがこれです。
自分のうちに潜むもう1人の自分とも言える存在。裏の自分との対峙。
その感情に流されることなく、優しさや気遣いといったものをどれだけ持ち続けることができるのか。

その暗い力こそがシンビオートであり、それを打ち破ることができるのが人間なのでしょう。

復讐心との戦いと憎しみの克服

一方マイルスは親の仇であるリーと出会うことで、その憎しみと向き合うことになります。序盤で遭遇したときは市民の救出よりもリーの捕獲を優先しようとするなど、復讐に心が乗っ取られていたマイルス。
その後リーと直接対決になるのですが、それがきっかけでヒーローにとって大切なことを思い出し、倒す・殺すことでなく、受け入れる・許すことで先に進むことになっていきます。

こちらの話のほうがヒーロー譚としてよく見かけるものですが、だからなのかストーリー的にはあまり大きく描かれていない印象をうけました。それよりもシンビオート(その後のヴェノム)との戦いがかなり大きく取り上げられていて、そこからの立ち直りのためにマイルスがいるような……。もっとはっきり言うと、やっぱり主人公はピーターでそのサイドキック的にマイルスがいるみたいな関係を感じてしまったんですよね。

正直に言うともっとしっかり描いてほしかったと思っています。
いや、良かったんだけども。マイルス好きだからっってのもあるんですけども。

3つのタームと長かった傲慢ピーター

本作は大きく分けると3つのタームに別れているように思います。
1つ目はピーターがブラックスーツを手に入れるまで。
2つ目はピーターがブラックスーツを脱ぐところまで(クレイブンとの戦いあたり)
3つ目はヴェノムとの戦い。

1つ目のところはチュートリアル的な要素や、物語が動き始める部分。
基本的な設定を説明したりするところで、序破急の序ですね。

ここは問題は発生しているとはいえ、全体的に明るく話が進行していきます。

その後がクレイブン編とも言えるパート。
ここでは段々とシンビオートに侵食されていくピーターを操作することに。

普段よりもパワフルなアクションが増えることで操作自体はかなり楽しい。
ですが、上でも書いたような傲慢な面が出ており、ピーターの話を聞くのが少し嫌……。普通に嫌なやつなので辛い。

クレイブンは強敵ですし、ここまではクレイブンとの対決のことを考えていたわけですが、こいつは最後の盛り上がり前の中盤のボスといった扱い。途中で見つけた資料などからも終わり方は想像できたわけですが、めちゃくちゃな強敵として描かれていただけでにちょっとショックでもありました。

そして最後がヴェノムとの対決。
ホラーっぽさがかなり上昇していき、世界がアポカリプスな感じに。

まぁシンビオートはエイリアンだからな、と思い返せばそうなんですが、それにしてもニューヨークの状況やばくない? みたいな。

最後の敵や状況がわかりやすく、見た目のクライマックス感も相まって、ゲームの終わりを感じながらプレイしていましたね。戦い方も今作用に熟練してきているので、戦闘が楽しい。もちろん敵は強くなっているのですが、どう倒そうか考え、楽しみながら戦えるようになっていましたね。

 

という感じで見返してみましたが、体感的には2番目のところが長く、更に言うと傲慢なピーターの会話が結構印象に残っているんですよ。正直あまり聞いていて気持ちが良いものではなく、プレイヤーとキャラクターの感情が乖離していたシーンでもありました。

マイルスの話が少し薄味で、ピーターを更生させるための話になってしまっていたようにも感じられたのですが、そっちももっと描いてほしかった……。2人の主人公それぞれが大きい問題にぶち当たって、それを乗り越えた結果、最後の敵との戦いが待ち受ける、という流れをもっと強く感じたかったんですよね……。

次回作はマイルスもうちょい濃い目でお願いしやす!!

さいごに

スパイダーマンを見ていると、ヒーローだって人間だし、人間だからこそヒーローになれる、というようなことを感じることが多いんですよね。それはゲームに限らず映画なんかでもそう。もちろん他の原理で活躍するヒーローもいるのでそれが全てではないと思ってはいますが。

今作においてもヒーローの人間らしい部分が強く出て、それを人間的な方法で乗り越えてきました。それをもっと見たかったし、主人公が2人いる意味はあったけど演出が弱かったのでもう少し描いてほしかった……。どうしてもそう思ってしまいます。

クリア後、クレジット付近で描かれたオットーとノーマンの会話で「最終章」という言葉が出ていました。当然次作への繋がりを示すものなのですが、この言い方から考えると次の『Marvel's Spider-Man2』が最後になるということかもしれません。

ただ、もう1つのマイルスのシーンでは母親が再婚を考えている相手の連れ子として「シンディ」が登場しているのも見逃せません。シンディといえばシンディ・ムーン、スパイダーウーマンの1人であるシルクのことでしょう。

となると、前作の流れと同じように、この次に『Marvel's Spider-Man: Cindy Moon』とかが発売され、その後『Marvel's Spider-Man3』みたいな流れになる……みたいなことも予想できそう。

シルクは韓国系アメリカ人で、ポケモンなどのファンでギーク寄り。ピーターともマイルスとも方向の異なる、性別も異なるヒーローとして登場してもおかしくはありません。

そんなわけで、ちょっとネガティブな感想も書きましたがゲーム自体は楽しく遊ぶことができましたし、今後の展開も気になるところ。シリーズがどこまで続くのかはわかりませんが、今後の発表にも注目していこうと思います。

【PS5】Marvel's Spider-Man 2

【PS5】Marvel's Spider-Man 2

  • ソニー・インタラクティブエンタテインメント
Amazon