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ゲームレビュー:ヘッドライナー:ノヴィニュース 記事の選択で世論を操作して国に変化をもたらす編集長のお仕事

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こんにちは。譲治です。
今回は少し雰囲気を変えて、編集長になってきました。
掲載する記事を選んで世界を変えていく感覚はなかなか新鮮だったので、その点のレビューを書いていきたいと思います。

クリア状況の説明をすると、一応5周してます。

ヘッドライナー:ノヴィニュースってどんなゲーム?


ヘッドライナー:ノヴィニュース (Headliner: NoviNews) | Unbound Creations / Chorus Worldwide Games

ノヴィスタンの重要なメディアといえば何を思い浮かべるだろうか。
ラジオで流れるフランクリンの「フランクトーク」?そんなことはないだろう。
読むべきはそう、「ノヴィニュース」だ。

ノヴィニュースは隣国レアリスとの関係や新しく発売される合成酒ベターバッズについても取り扱うノヴィニュースはノヴィスタンの国民であれば全員が目を通すべきメディアだと言えよう。
ノヴィニュースの記事に偽りはなく、常に国の真実を映し出しているのだ……。

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『ヘッドライナー:ノヴィニュース』は疫病が流行りつつあり、情勢も不安定な国「ノヴィスタン」のメディアとして、政治や医療、事件やお酒についての記事を公開して、世論を操作していくゲームです。
前作『ヘッドライナー』ではギャリクシアと呼ばれる国の話だったのですが、本作ではその近くの国ノヴィスタンが舞台となっています。


ゲームのシステムは自分自身は編集長となり、ライターの上げてきた記事を承認するか、それとも却下するかを選択していくというもの。

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承認するとその記事に書かれたことがノヴィスタンにおける真実になり、それを見た人々の行動が変化していきます。
変化は必ずしも良いものであるとは限らず、またある人にとって良いことであっても他の人から見ると好ましくない変化であることも……。
では、変化を起こさなければ良いのかというと、日によって承認する記事の数にノルマが課されることがあり、記事を掲載しないでいることも出来ません。

一通り記事を選び終えると次は街の中を見て回るパートに移ります。
街は広いわけではなく、1本道のサイドビューとなっていて、その途中途中で会話をすることができるというくらい。
ですが、街を歩く人々や会話の内容が選んだ記事によって変化し、演説が始まったり、暴動が起きたり、病気になる人が増えたりとその様子がはっきりと分かるようになっています。

難しい選択を日々繰り返しながら世界を変えていく。
それがヘッドライナー:ノヴィニュースです。

クリアまでの時間は2時間程度。
慣れてくると1時間あれば1周クリアできるくらいになっていきます。
トロフィーに5周クリアするというものがあったので私は5周やりましたが、全部で10時間かからないくらいだったかと思います。

ハードはPC、PS4、Switchの3つなので、好きなものを選ぶと良いと思います。

 

感想

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自分が編集長となり、世論を操作する。
そのシステムが面白そうだと思い、このゲームを遊んでみました。

実際、今まであまり見たことのないシステムだったこともあり、新鮮で面白い体験ができたと感じています。
まぁ言ってしまえば、選択肢が記事の形を取っているアドベンチャーなんですけど、個人同士の関係ではなく民衆や国民レベルまで引き上げられている点が面白かったポイントだったと思います。

編集長はとても責任が重い仕事です。
ニュースの影響を受けて民衆が暴徒と化してしまうこともあります。

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 また、どう考えても体に悪い合成アルコールを褒め称えなければならないこともあります。

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そして、その権力から陰謀に巻き込まれそうになることもあります。

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自分の行動が国を思ってもみない方向へと変えていく。
この感覚はこのゲームならではのものと言えるのではないでしょうか。

ただし、このゲームが面白いのは2周目や3周目までです。
いやもしかしたら3周目もつまらないと思ってしまう人もいるかもしれません。

2周目に入ると新しいキャラクターが追加され、一緒に事件解決に向けて情報収集を行うことになります。

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また、2周目の最初にはユーザーへ訴えかけるようなメタ的な言葉を投げかけてくるキャラクターが登場します。

これらの要素が周回ごとに増えていく。
そんなワクワクを感じていたのですが、実際はそうはなりません。

追加の要素は2周目で打ち切り。
メタ的な雰囲気も3周目でおしまい。
5周は遊ばせたいからこそのトロフィーだと思っていたのですが、そこまで到達するまでにゲーム内の要素は出きってしまうようなのです。

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確かに選択肢によって世界が変化していくこと自体は面白かったのですが、何度も繰り返すことを重視したゲームなのであれば、そこまでユーザーを連れていくための要素を入れ込んでいかないと駄目だと思うんですよ。
記事の選択による世界の変化は2周もやればだいたいわかってしまうので、それ以外のところに隠し要素を入れ込んで行けたら良かったんですけどね。
警察官の追加のようなものもそうですが、周回しないと発生しない特別なイベントだとか、見たことの無いような記事だとか、そういったものがもっと入っていたらもっとたくさん遊んでみたいと思えるゲームになったんじゃないでしょうか。

 

さいごに

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色々書きましたが、攻略情報などを一切見ないでやる1周目はハラハラドキドキしましたし、2周目から追加される警察官のイベントは目新しく楽しむことが出来たと思います。
なので気になっている人はセールのタイミングを見つけて遊んでみると良いと思います。

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それ以外にもキャラクターとの掛け合いは好きな要素でした。
エヴリンもそうですが、ルディマートの店主ルディとの世間話や兄のジャスティンとのやりとりなど、周囲の人が「自分のせいで」変化していく様子は興味深く、また辛いものです。
全員を助けるのは難しくても、決めた1人を助けることが出来たら嬉しいですし、次はこうしてみようと思う部分に働きかけてくれる要素だと感じています。

そしてクリアしてみて感じたのは「真実なんてどこにもない」ということです。
自分が民衆を先導して、「真実」を見せてあげる。
それによってみんなは拠り所を見つけて安心するのです。
これが扇動というものなのだなと、情報の怖さを改めて感じさせられましたね。