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ゲームレビュー:ペルソナ5スクランブル アクションと融合して語られるペルソナ5のその後の話

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こんにちは。譲治です。
2月20日に発売されたPS5の続編、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』をクリアしたのでレビューを書いていきたいと思います。
今年入ってからクリアしたゲーム2本目ですね。

アクションゲームとして発売されたペルソナなので、どんなゲームだったかわかるように詳しめに書いていくのでよろしくおねがいします。
また、なるべくネタバレも避けて書いていこうと思うので、読んでからでも楽しめると思います。多分。

ペルソナ5 スクランブルってどんなゲーム?


『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』 プロモーションビデオ

ペルソナ5 スクランブルはペルソナ5の続編として発売されたゲームです。
上の動画とは別の動画になりますが、P52という表記の2が反転してSに変わるところは盛り上がりましたよね。
発売日も2020年2月20日となっており、2であることを前面に押し出しています。

さて、そんなP5Sのストーリーは前作から半年後の夏に四茶に主人公が帰ってきたところから始まります。

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夏休みを怪盗団メンバーとともに過ごすために帰ってきたんですが、買い出しに行った際にまた新しい事件に巻き込まれていきます。

前回のパレスと似ているのですが、また少し異なる「ジェイル」という認知世界で戦うことになるんですね。
このジェイルは王(キング)の認知を具現化したもので、その中はシャドウが蔓延っている状態。
その中に取り込まれ人々がネガイを奪われることで王に心酔してしまう、改心事件が発生。
これを解決するために怪盗団が復活するのです。

下の項目でも書きますが、今回のジェイルは日本各地に存在しているため、夏休みの楽しみを返上してジェイル探しの旅が始まる、という流れ。
まぁその中でいろんな観光地に行って楽しむんですけどね、彼らは。

続編としての冒険もあり、夏休みらしいバカンスもありで、怪盗団のメンバーの学校生活からは離れた一面が見えたりするのが今作のいいところかと思いますね。

ペルソナ5はPS3でも発売されていたのですが、本作はPS4とSwitchでの発売となっています。
が、敵の数を考えるとSwitchでは厳しい気がするので、PS4で買うことをおすすめします。
また、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』に登場した人物はこちらには出ないので、ロイヤルではなく無印の方からの続編というのが正しいのかな、と思います。

難易度は三段階あって、私は真ん中のノーマルで遊んだのですが、クリアまでの時間は37時間くらいでした。
クリア時のレベルは64で、他のメンバーはだいたい60くらい。
リクエストと呼ばれるサブミッションが程よい数あり、それをこなしていたらいつの間にかレベルも上がっていましたね。

 

P5Sの特徴

戦闘の特徴

今回の戦闘はコマンドバトルのRPGではなく、実際にプレイヤーを操作して戦うアクションになっています。
開発が無双シリーズや『ドラゴンクエストヒーローズ』、『討鬼伝』、『進撃の巨人』を開発しているω-forceということもあり、操作感覚自体は近い部分もあるかと思います。
このあたりは後でも書きますが、無双のような戦い方とはまたちょっと異なるので、ペルソナ無双!というつもりで遊ぶとちょっと違うな、と感じてしまうかもしれませんね。

その戦闘の中の特徴的なシステムというとまずは「総攻撃」でしょうね。

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敵をダウンさせた状態で発生する攻撃で、周囲の敵を巻き込んで一方的に攻撃することが出来るボーナス攻撃です。
今までもあったやつですね。
今回はアクションゲームということで、これが一定範囲の敵を巻き込む攻撃になっています。

似たようなもので「ショウタイム」というものもあるのですが、こちらは各プレイヤーごとに持っているショウタイムゲージを貯めることで発動可能なカットイン付きの特別な攻撃。
こちらも周囲の敵を巻き込んで大ダメージを与えることができます。
ショウタイムゲージは敵への攻撃を繰り返すことで溜まっていきます。

このショウタイムゲージをより効率的に貯める手段としてあるのが「バトンタッチ」です。
操作するプレイヤーを変更するためのシステムなのですが、これを行った直後はショウタイムゲージの上昇量がアップします。
なので、戦闘中に1人のプレイヤーだけを操作するのではなく、色々と切り替えながら戦うことが求められる、というわけです。

戦闘とは直接絡まないのですが、「マスターアーツ」というものがあります。

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これはコンボの開放みたいなもので、しばらくそのプレイヤーを使っていると開放されていくようになっています。
マスターアーツを開放しておかないと、重要なコンボが使えないままになってしまうので、なるべく早く開放するのが良いと思います。

旅の中で変わる拠点

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今回のアジトはキャンピングカー!ということで、旅の中で拠点がどんどん変わっていきます。
上の画像は2番目の都市である仙台。
仙台駅が再現されていて、知っている人はテンションが上がるんじゃないでしょうか。

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仙台以外だと札幌にも行きましたね。
その場所その場所で雰囲気が大きく変わるので、遊んでいて飽きないのも今作の特徴です。

土地の名物なんかも出てくるので、それを探してみるのも良いかもしれません。

追加されたキャラクター

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P5Sでは2人のキャラクターが追加されます。
1人目はソフィア。
渋谷のジェイルでであるキャラクターで、何者なのかは謎。
このソフィアがどういうキャラクターなのかを追っていくのもお話の重要な要素になっています。

もう1人は長谷川善吉。
公安に所属する警察官なんですが、こちらもペルソナに目覚め、怪盗団とともに戦うことになります。
大人ということで、今までのメンバーとはちょっと毛色が異なるのが特徴ですよね。
今まで出会った大人はみんな外から見守ってくれるような人だったので、かなり新鮮に感じるんじゃないかと思います。

 

アクションについて

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長くなりましたが、今作の特徴であるアクションについてです。

今作は無双のようなゲームとは異なり、シンボルエンカウント制となっています。
つまり、ジェイルを徘徊している敵に接触することで戦闘が始まる形式です。
ペルソナ5でも同様の形式でしたし、遊んでみるとペルソナ感を出しつつアクションに持っていける良い仕組みだと感じました。

また、今作でも前作にあった「怪盗らしさ」はしっかり入っていて、敵に見つかると不利な状態から戦闘が始まってしまうようになっています。
そのため、敵に見つかる前に敵へ攻撃し、戦闘を開始するのが重要なんですね。
カバーポイントなどに隠れるアクションもあり、そこから奇襲を仕掛けるファントムムーブから戦闘を始めるのが基本的な仕掛け方になります。
奇襲が成功すると逆にこちらが有利な状態から戦闘が開始できるので、格上相手でも戦いやすくなります。

戦闘中は基本的に操作したプレイヤーの武器でガンガン殴っていくようなスタイルになります。
その中で重要になってくるのが「弱点」の概念です。
ペルソナといえば弱点属性で攻撃してダウンを取って……という戦い方だと思うのですが、これをアクションで行うことになります。
基本的には武器で攻撃と書きましたが、それ以外に当然ペルソナのスキルもありまして、これを使うことで弱点属性を狙って攻撃することが出来るんですね。
成功すればダウンさせることができたり、ダウンゲージを削ることが出来るのでどんどん狙っていきたい攻撃になります。

ただし、ペルソナのスキルを使うためにはSPが必要です。
SPはアイテムを使うかジェイルから出るしか基本的には回復手段がありません。
そのため、無駄遣いをしすぎてしまうと戦い続けるのが難しくなってしまいます……。

そこで重要になるのが、コンボを用いたペルソナスキルの発動となります。
上に書いたマスターアーツ。
これを使うことで、コンボの最後などにペルソナスキルを発動し、属性で攻撃することが出来るようになります。
慣れるまでは難しいと思いますが、慣れてくるとSPを使わずにスキル発動が出来るようになるので、格段に戦いやすくなっていきます。
ここで発動できるのはペルソナのもっているスキルではなく、ペルソナ自体の属性由来のものになるので、ペルソナの属性も考慮に入れてペルソナを持っていけると良いですね。

ゲームを開始した直後はペルソナの属性にバリエーションがなく、出来ることも限られていたため「無双っぽい……?」と感じていたのですが、遊んでいくうちにだんだんと「弱点当てるゲームなんだ」と実感していき、マスターアーツをうまく使うことを覚えるとSPを温存しながら戦えるようになるので上達を感じる、というのがこのゲームのアクションというか戦闘を続ける中で感じるものだと思います。
最後の段階に到達できると、次は敵の攻撃をうまく回避してカウンターを入れながら戦うことが目標になっていく、みたいな。
ダウンさせると敵の攻撃をキャンセルすることが出来るので、ショウタイムやペルソナスキルは敵の攻撃を回避できない!となったときのために取っておいたり、最後に一気に倒しきってしまうために使ったり、という扱いに落ち着いて行きます。

慣れてくると単調という話もありますが、そこはRPGの部分がバランスを取ってくれているように思います。
正直な話をすると、途中まで進めたころに私も単調だなと感じていたときはありました。
言ってしまえば弱点属性を当てるだけですからね。
でも、敵の攻撃の火力が高かったり、逆に弱点属性を当てられてしまうと一気に体力を削られてしまうようになっていくため、1撃の重さがどんどん上がっていくんですよね。
その中である意味綱渡りのようなひりつきを感じるような場面もありましたし、最後まで遊んでみると単調さは気にならないのでは?とも思います。

ここまではアクションの話をしてきたのですが、アクションが得意ならアクションで乗り越えれば良いし、苦手ならペルソナのレベルを上げて戦えば良い、というスタイルでもあると思うので、自分にあった戦い方で進めれば良いんじゃないかなとは思います。
レベルを上げたらなんとかなると思うので。
あとは属性ですね。属性さえ間違えなければ大丈夫だと思います。

 

メニューについて

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ペルソナ5でとても評価の高かったメニュー画面ですが、今回は2Dではなく3Dモデルが動く形式になっています。
画面を切り替えるとジョーカーが他のメンバーのいる場所に移動するのですが、後ろの壁の上や横にメンバーがいるので、シームレスに移動していくんですよね。
その移動がスタイリッシュで、しかも3Dでってことで今回もかなり力を入れている部分だと感じました。

ショップ画面はまた雰囲気が異なる画面になっているんですが、こちらもモデルが動くタイプ。

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しかもソフィアが色々とコメントしてくれるんですよね。
「どうするんだ?」と書いてある吹き出しがあるんですが、この吹き出し形式でメッセージが表示されるんですよ。
LINEとかでメッセージが流れていくと思うんですが、あれ。あれみたいな雰囲気。

たしかファミ通のインタビューで、このメニューならアトラスでも一発OKというような話をしていた気がします。

 

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それと今回雰囲気が好きだったのは料理メニューです。
キャンピングカーで日本を旅していくということもあり、その場その場で料理をする、という設定になっているんですよね。
そこで主人公がその腕を振るうことになるのですが、アメリカンダイナーのようなフォントだったりとか、料理を作る際に他のメンバーが「手伝うぞ」みたいに言ってくれるのが嬉しくて。
一緒に旅をしている感が一番出ていたので、この画面が大好きでした。

 

さいごに

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ペルソナ5の番外編・スピンオフではなく、続編として発売されたペルソナ5S。
ストーリーも5からの流れを汲んだものになっており、5を遊んでいる人に向けたゲームになっていたと思います。
そのため、5を未プレイの人が触ると「なぜこの人が怒るのか」みたいな箇所で違和感を覚え、感情移入しにくくなってしまうかもしれません。
また、今回は当然最初から5の全メンバーが揃っている状態なので、怪盗団がどのようにして出来たのかはペルソナ5S中では語られることはありません。

話のコアにある「選択」というものをしっかりと活かした話になっていると思うので、ぜひ遊んでみてほしいゲームです。
最後の展開はやっぱりアツいですしね。
それだけに、前作を知らない人におすすめするのが難しいのが少しさみしかったりもします。
アニメもあり、それでも大丈夫なのでぜひペルソナ5を知ってから、5Sを遊んでみてもらいたいな、と思いますね。

色々話してきたアクションについてですが、「ω-forceが開発」や「ペルソナ5」という情報が先にあったため、どうしても最初は違和感というか、不満が出てきてしまうようなところがありました。
それでもしばらく遊んでいると、楽しむポイントが見えてきますし、それをなるべく丁寧に書いてみたつもりです。
個人的には同じシステムでペルソナが出るのであれば、また買いたい、遊んでみたいと思えるくらいには楽しめたと思いますので、「アクションがいまいち」という情報を見て買うのをやめてしまった人も、少し試してみてもらいたいなと思います。

 

ちなみに物凄いがっかりしたというか、泣きそうになったところもあります。

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妙がいなかったことです。
5でちゃんと付き合ったの妙だけだったのに、一途でいたのに、四茶に帰ってきても会えないってどういうことなの……。悲しい……。

それ以外にも前作のキャラクターで会えない人物がいるので、そこはちょっと悲しかったですね。
舞台が点々とすることを考えると仕方ないとは思うんですけども。