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ゲームレビュー:DEATH COME TRUE 本郷奏多が何度も何度も死亡する実写アドベンチャー

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こんにちは。譲治です。
以前からかなり楽しみにしていた『デスカムトゥルー』が発売されました。
年始の記事や、上半期の気になるゲームをまとめた記事にも書いた通り、主人公である本郷奏多が死ぬことでタイムループするようなゲームです。
死ぬことで時間が戻るということで本郷奏多が死亡するシーンがわんさかあるゲームなんですよね。

ネタバレは禁止されているので、ネタバレしない範囲で感想を書いていこうと思います。

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DEATH COME TRUEってどんなゲーム?


Death Come True (デスカムトゥルー)ティザー映像 第3弾/Death Come True Teaser Vol.3 本郷奏多、栗山千明、森崎ウィン、梶裕貴、山本千尋、佐藤二朗出演

とあるホテルの一室。
けたたましく鳴り響く電話の音で目を覚ましたカラキマコトは自分が何者で、どうしてここにいるのかわからない状態になっていた。
まわりを見渡した際に目に入ってきたテレビからは自分が連続殺人犯として指名手配されているというニュース、浴室には意識を失いロープで縛られた女性。
何が起きているのか分からず混乱の中、玄関のドアがノックされ……。

そしてまた、とあるホテルの一室に場面は戻る。
けたたましく鳴り響く電話の音で目を覚ましたカラキマコトは自分の置かれた状況により混迷を極めていた。

先程自分は死んだのではなかったのか、と。

 

『デスカムトゥルー』はダンガンロンパのシナリオ・企画を担当した小高和剛がディレクターとして開発を進めたゲームです。
珍しい実写ゲームとして発表されていたのですが、どちらかというと行動を選択出来る映画というのが近いかもしれません。
名前にDEATHという文字が入っていることからも予想はできるのかなと思いますが、主人公が死ぬゲームです。
死ぬことで状況がまたもとに戻り、得られた情報で前回よりも先へ進んでいく。
死ぬ事自体がゲームの中枢となる仕組みに取り込まれていると言えるでしょう。
自分(カラキマコト)が何者なのか、このホテルで何が起きているのか、なぜこのようなループが起こるのかを何度も死にながら考えて進めていくのが面白いゲームだと思います。

 

主演含めて参加している俳優・女優は本郷奏多、栗山千明、森崎ウィン、梶裕貴、山本千尋、佐藤二朗。
私の目当ては本郷奏多なんですが、それ以外の面々もなかなか豪華なんですよね。
ちょい役でしかない人もいるんですが、好きな俳優がいる人はそれを理由にチェックしてみても良いんじゃないでしょうか。

 

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ゲームの進行はよくあるアドベンチャーゲームのように、ストーリーパート中心で進みつつ、合間合間に選択肢が表示されるというもの。
選択肢は最初から全て出ているわけではなく、ゲームの進行に応じて表示される内容が変わっていくタイプ、というのが正しいんですかね。
やり直しもそこまで苦ではないので、あまり気にせず行動を選んでも大丈夫です。

 

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オプションで面白いなと思ったのが、字幕の表示非表示設定。
私はスマートフォン版を遊んだので特に感じたのですが、移動中などの音を出すのがはばかられるような場面でも字幕表示をすることで問題なく進めることができるようになるんですよね。
これ、そこまで特別なことではないのかもしれませんが、結構重要なオプション機能だと感じました。

 

クリアまでは1時間半程度で、やりこみ要素含めても2時間くらいで終わります。
値段が1900円と映画館で映画を見るのと変わらないことを考えると、これくらいのボリューム感が妥当なのかなとも思いますね。

現在はSwitch版とスマートフォン版(iOS、Android)で配信されているのですが、今後PS4、PCでも配信予定です。
実際はどうかわかりませんが、PS4、PC版は1ヶ月くらい時差配信になるんじゃないかなと個人的に予想しています。

 

やりこみ要素

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デスカムトゥルーは主人公が何度も死ぬゲーム、ということで本作のやりこみ要素は、全ての死亡パターンを網羅するというもの。
デスメダルという名前のアイテムとして様々な死因を獲得することができます。
デスメダルを手に入れると撮影風景やオフショットなどの特典映像を見ることも出来るようになるのでクリアした人は死因コンプリートを目指すと良いかと思います。

ちなみに、PS4版とPC版の配信が遅れているのはこの当たりにも原因があるんじゃないかと予想しています。
最初にも書いた通り、本作はネタバレを禁止しています。
それは単なるお願いというだけでなく、プレイ動画のアップロードお呼び生放送の公開禁止を弁護士と連名で発表するほど。

 

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静止画はネタバレにならない範囲ではOKということなので、本記事でもその当たりを考慮して、大丈夫な範囲の画像にとどめているつもりです。

PS4とPCは他のハードと比べて動画配信がかなり容易であることから、リリースが遅れているというのもあると思いますが、PS4やPCの「実績」がネタバレを招くとして後に回されているのではないか、とも思えるんですよ。
PS4のトロフィー、PC(Steam)の実績は非公開にすることがかなり難しいもの。
やりこみ要素であるデスメダル集めが実績につながるであろうことは想像がつくと思うのですが、何をして死ぬのかが重要なゲームでそれを実績という形で暴かれてしまうというのも重度のネタバレになりますよね。
このことからもPS4とPCのリリースはまだ先になるんじゃないかと思っているわけです。

 

本郷奏多の死に様について

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本作のメインコンテンツである「本郷奏多の死に様」についてなんですが、正直に言うと思っていたよりも弱いなという印象でした。
あまり詳細に書くとネタバレになるので避けますが、本郷奏多の良さがあまり出ていないように思えたんですよね。
小高さんの演出が入るので、ダンガンロンパのようなすごい死に方が色々あるんじゃないかとも思っていたんですがそのようなものもなかったですし。

本郷奏多の名シーンと言われると、まず思い浮かべるのはGANTZの西くんですよね。
スーツがオシャカになった!のところが本当に良くて、これがきっかけで本郷奏多が好きになったという人もたくさんいると思います。

 


映画『キングダム』予告

最近の役どころだとキングダムの成蟜でしょうか。
最後の方でボコボコに殴られる様子はそれまでの高圧的な雰囲気から一転して惨めで弱々しくなるのですが、その変化が本郷奏多らしいといいますか、役がピッタリハマっているように思えますよね。

 


映画『鋼の錬金術師』キャラクター予告(ホムンクルスチーム編)【HD】2017年12月1日公開

あとは鋼の錬金術師のエンヴィーもやっていまして、こちらはそこまで活躍できたわけではありません。
最後にロイに燃やされ続けたのですが、その際の悲鳴が本郷奏多らしく、やはりそれまでの雰囲気から大きく変化がついていて素晴らしいんですよね。

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これらを改めて見返すと、本郷奏多はもともと高圧的・傲慢・嫌味なキャラとして登場して、そこから転落していく様子が映える、ということになると思うんですが、本作の本郷奏多は全般的にかっこよく、それもそれで良いんですが求めていたものからすると少し違う……となってしまったのだと思います。
転落と書いたのですが、弱々しく写ったり、テンパってしまったりする様がしっかりと描かれていれば、通常時との落差で(勝手に言っているだけですが)本郷奏多らしさが出せたのかもしれません。
せっかくの本郷奏多なので、もっともっと活かして欲しかったというのが正直なところです。

まぁ一部結構よいシーンはあるんですけどね。
もっと見たかったんですよ!あんな本郷奏多を!

 

さいごに

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「これは、映画なのか?ゲームなのか?」と言われていたように、デスカムトゥルーは映画とゲームの中間、むしろ映画よりのゲームだったように思います。
切り口としては新しく、他のゲームとは異なる描き方、見せ方をすることが出来ているとも感じました。

ただ、内容としては「ループもの」なので真新しさをそこまで感じることはありませんでした。
最近は様々な作品でループものが描かれていますし、もう一捻り欲しかったというのが正直なところ。
そこにゲームらしいインタラクティブ性を加えることができていればまた違った評価を得ることが出来たのかなと思います。

ゲームとしてみると値段が高いと思う人もいるのかもしれません。
映画としてみると単調だったり、ボリュームが少なく感じる人もいるかもしれません。
そう考えると両取りは面白いのですが、難しい挑戦だったとも思えます。
私は本郷奏多を見ることが出来たので、これくらいでちょうど良いと感じましたけどね。

そんな私の不満は上で書いたように本郷奏多の死に様が少し淡白だったことでしょうか。
それを目当てにしていたということもかなり強くあるとは思いますが、ちょっとリアクションや演出が弱く、もっと力を入れて欲しかった部分です。
なんども書きますが、せっかく本郷奏多を起用しているわけですし、それをもっと見せて欲しかったところ。
もったいないですよこれは。

 

色々書きましたが面白い挑戦だったとは思うので、今後もチャレンジしてほしいなと思います。
小高さんは色々捻ったことを考える人だと思うので、また何かやってくれそうな気がするんですよね。