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実写映画版『とんかつDJアゲ太郎』でかなりアガった話


映画『とんかつDJアゲ太郎』本予告 2020年10月30日(金)公開

こんにちは。譲治です。
もう2ヶ月近く経ってしまいましたが、実写映画版『とんかつDJアゲ太郎』を見た感想をまだ書いていなかったので、一気に書いていこうと思います。
最初に書いておきますが、かなり良かったので勢いでパンフレットも買ってしまいました。
正直かなりおすすめ。でももっと騒いでいい場所で見たかった。

とんかつDJアゲ太郎って?


TVアニメ「とんかつDJアゲ太郎」PV 1

とんかつ屋とDJって同じなのか!
そんな真理に気がついてしまった、渋谷のとんかつ屋しぶかつの3代目である揚太郎がモテるためにDJを始める話です。

正直何を言っているかわからないと思いますが、だってそうなんだもん。仕方ないじゃない。

クラブカルチャーの説明や紹介をしながらも、独自の世界観……というか人物観で濃い目のキャラクター達がストーリーを回していくような構成で、登場人物との出会いを通じて揚太郎が成長していったり、周りの人の心を動かしていく様子が描かれます。
もちろん最初は不純な動機ではありますが、それだけではなく本気でDJにのめり込んでいく揚太郎のひたむきな姿は、本気そのもの。
更には家業であるしぶかつの3代目としても成長していくという、癖の強めな成長譚でもあります。

また、登場人物もかなり曲者揃い。
ごま油を飲んだりラードをそのまま食べる、揚太郎の師匠、DJオイリー。
韓国出身で、揚太郎を兄と呼ぶに至るEDMの貴公子イー・ドンミョン。
プライドが高く、有能な新人を潰しにかかるもなんだかんだで律儀だったりもするDJ IKENOSUKE。
揚太郎がライバル視している実力派DJ、そしてIT企業経営者の屋敷蔵人。

などなど、様々な登場人物とぶつかり、競い合い、そしてともにフロアを盛り上げていく様子が、ある意味ジャンプ的でもある、不思議な作品ですね。

 

映画はどんな話なの?


北村匠海「僕は可哀そうな奴ではない」伊藤健太郎の逮捕を受け心境を告白『とんかつDJアゲ太郎』初日舞台あいさつ

そんなアゲ太郎の実写映画版ですが……公開前に色々問題がありましたね。

師匠であるDJオイリーを演じる伊勢谷友介が薬物所持で逮捕
ライバルである屋敷蔵人役の伊藤健太郎がひき逃げで逮捕

「正直、この映画をフラットに見てくれる人がどれだけいるのか」と主演の北村匠海が言っているように、その2つの事件を引きずってしまうのは避けられないことだと思います。

 

……思いますが、それはそれとして、色々なものをふっとばすくらい面白く、テンションのアガる映画でした。

映画で描かれたのは原作の1巻の範囲。
しかも、最初のDJイベントで成功するまでの話です。

原作では本当に一瞬で駆け抜けていくような部分で、DJオイリーに教わって練習して、運が良かったことも重なってなんとか初DJは成功に終わる、というくらいの話。
揚太郎が失敗するのはその後の展開なのですが、それをうまいこと作り変えて、1本の映画として盛り上がりどころを作ることに成功しています。

苑子に一目惚れしてDJを目指した揚太郎が、よくわからずDJをやろうとして失敗し、楽しませることを見失って自分本位に振る舞って失敗し……という2度の失敗を経て、最後にイベントを成功させる展開はしっかりと練り上げられており、きれいな流れで楽しむことができます。
その中で、周囲の人の反応もわかりやすく変化し、それによって原作にもあったような揚太郎の成長を描いているようわけです。
例えば最初の失敗のときに「楽しませたいのであれば良いのでは?」と言っていた屋敷が、2度目の失敗では怒りを示し、そして最後は一緒にDJをする、というように。

音楽とともに描かれる、起承転結がキレイにまとまった物語。
それらが揃うことで、見ている観客もアゲられる映画になるわけです。

 

最強プレイリストがいいぞ

展開のキレイさもありますが、もちろん音楽もキマっていました。
これはもうとりあえず、公式サイトにある最強プレイリストを見て、聞いて貰えればそれで良いです。

wwws.warnerbros.co.jp

これ。これね。

映画を見たらわかるけど、最後の「Heaven Is A Place On Earth」が最高。
終わった後もずっと頭の中で流れてた。

劇場で静かに映画を見ないと行けないのが、ここまで辛いとは……。
騒いで大丈夫な場所でみんなでまた見たいですね。

 

さいごに

途中にも書きましたが、公開前に色々問題のあった本作。
それでも素晴らしい映画であることは間違いないですし、映画自体に罪はありません。
Blu-rayや動画配信サービスでの配信があったら取り敢えず見てみてください。
かなりいい感じに仕上がっているので。
原作を知っていても、知らなくても楽しめると思うのでぜひ。