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感想:映画 ドラゴンクエスト ユア・ストーリーは本当に悪い映画だったのか

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こんにちは。譲治です。
最近話題になっている映画ドラクエを先日見てきました。
マイナスな方向での話題が多いのですが、自分なりの感想を書いていきたいと思います。

途中からネタバレ込の話になっていきますのでご注意ください。

どんな映画?


「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」予告②

父パパスとの旅、青年になってからの旅、そして子供を連れての旅。
親から自分、そして子供へとつながっていく大河ドラマのような大作であるドラゴンクエスⅤを原作として描かれた映画です。

実写でもアニメでもなく3DCGアニメーションということで、今らしい魅力的なキャラクターが映画内で大活躍する様子を見ることができます。

 

感想

最初にドラクエⅤをやったのがPS2で出ていたリメイク版だったこともあり、記憶としてはSFC版ではなくそちらのものになってしまうのですが、自分の中ではドラクエⅤはとても大きい存在感のあるゲームとなっています。
確か中学生になったばかりの頃だったと思うのですが、親が寝静まってから隠れて進めていたのを覚えています。
Wikiなどもなかったので自分で試行錯誤しながら進んだり、ビアンカとフローラとで悩んだり。
ブオーンと戦うためにできる限りのアイテムや装備を整えたり、味方のモンスターはどれが良いのか考えたり。
そういう冒険が記憶になり、経験になり……そうやって自分の中で大きな存在となっていきました。

親から自分、自分から子供へと受け継がれていく物語。
その大河ドラマ的とも言える冒険が、大好きなので映画を見ているときにとにかく泣きまくってしまいました。
最初にパパスを見たときに泣き、ゲマと戦うときに泣き、ビアンカとフローラと出会って泣き、結婚して泣き、子供が生まれて泣き……。
もう本当にずっと泣いていたように思います。

映画という短い時間の中で表現する必要があるため、すべてのシーンを描ききることができず、削らないと行けない箇所があるのは仕方がないことです。
ですが、それでも『ゲームを遊んだことのある人』であれば、しっかりと大河ドラマを感じることができるようになっていたと思います。
少なくとも私は映画を見ながら、受け継がれていく意志を感じることができたと感じています。

 

削られてしまったシーンについて

上に書いた通り、限られた時間の中でドラクエⅤを描かなければならないため、いくつものシーンが削られてしまっています。
幼少期は全般的に端折られていますし、青年期もかなり短くまとまっています。
そのため、出てこない設定や出てこない人物なんかもいるんですよね。
幼少期の妖精の村の話はなくなっていたりとか、グランバニアやエルヘブンはそもそも出てこなかったり。
その中でも反響が大きいというか、批判が大きいように感じたのが娘がいなかったことになっていることでしょうか。
物語の都合だけを考えると息子がいれば話は進みますし、登場人物を増やしすぎると収集がつかなくなるので必要なキャラクターだけにしたいというのもわかります。
でも双子だからこその思い入れみたいなものがあると思うんですよね。
個人的にも双子を連れて旅をするその流れが好きだったのですが、それが消えてしまったのは寂しく感じられました。

 

終盤の感想

最も批判の的となっている終盤についてですが、先に書いておくとそれ自体はそこまで嫌いではないというのが個人的な感想です。
上でも書いたのですが、ドラクエⅤって私の中で経験として生きているゲームなんですよ。
自分の人生の中に深く刻み込まれているというか。
最後のオチでVRだったんだよというのが明かされる際に映された主人公の人生と自分の経験がリンクしたんですよね。
子供のときにハマったゲームで、実際にあんなゲーム機があったら同じように遊ぶと思うんですよ。
そして、いつもなんだかんだでビアンカを選んでしまうから今回はフローラを選んでみようとか思ったりしてね。

ただ、ミルドラースかと思ったらウイルスでした、この世界はゲームの世界でした、そろそろ大人になったんだから目を覚ませってのは正直に言うとかなり落ちとしては弱いというか。
流石にそういうネタはすでにいくつも見たことがあるものだし、ある程度ゲームにも市民権と言うかeスポーツってものが出てきて居場所はできていると思うんですよ。

更に言うと、それってドラクエじゃなくても良いじゃんって話なんですよね。
『ドラクエだから』っていうのが無いのでどうしても薄っぺらく感じてしまう……。

主人公がミルドラース=ウイルスに色々言われて「やめてくれ……!」というシーンでは上のようなこともあって私自身も「やめてくれ……!」という気持ちになってました。
そこまで含めて主人公への感情移入ができた映画だったとは思います。

 

本当に悪い映画だったのか

終盤の感想として書いたことがそのままでもあるのですが、そこまで悪い映画だったとは思っていないんですね。
一番の問題はこの映画をドラクエⅤの映画としか思えないようなプロモーションの仕方です。
だってこれ、ドラクエⅤの映画じゃないんですもん。
ドラクエⅤが好きな人の映画なので、枠としては光のお父さんとかと一緒なんですよ。
最初からそのように行ってしまうと今のような取り上げられ方はしないと思うので難しいとは思いますが、もう少し違う反応にはなったんじゃないでしょうか。

映画の内容自体にも文句はあると思います。
実際私も色々書きましたし、書いたこと以上に気になっている箇所はあります。
それでもドラクエⅤで好きだったシーンやキャラとまた出会えたのは嬉しい体験でしたし、主人公の感情はすべてわかるんですよ。
だから自分としては映画自体はそこまで悪いものではなかったんじゃないかと思います。

問題というか、一番悪いのはドラクエⅤの映画だと思わせるプロモーションです。
大事なのでもう一度言っておきます。
これはドラクエⅤの映画ではないのです……。

 

さいごに

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本気で感情移入できたので、個人的には楽しめる映画でした。
ただ、色々問題があるので、手放しでは褒められないですけどね。

ドラクエⅤの映画ではないとは書きましたが、この映画でドラクエⅤの映画化枠はなくなってしまいましたよね。
この枠を潰してしまったのも正直いただけないと思っています。
キャラモデルのクオリティは高いですし、これ使って3本立てとかにしてガッツリドラクエⅤの映画を作ってほしかった……。

 

最後に言っておきたいのですが、ビアンカは可愛いです。
やっぱり私はビアンカが好きですね。