Overwatch2のPvP情報が発表されてからもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。
やはりいちばん大きな変化は6vs6の対戦形式が5vs5に変わること、だと思うのですが、それを含めてどのような変化が起きるのか悶々と考えていたことを書き出していってみようと思います。
実際そうなるかどうかはわかりませんが……出ている情報から色々想像するのも面白いですしね。
主な変更点
- 6vs6から5vs5への変更
- ロールごとのパッシブ追加
- CCスキルの一部削除などの調整
- ステージサイズの拡大化
- プッシュの追加などのルール変更
6vs6から5vs5への変更
これが一番大きく、インパクトのある変更ですね。
『Overwatch』といえば6vs6の対戦ゲームですが、『Overwatch2』では人数を各チーム1人ずつ減らした5vs5に変更されるとアナウンスされました。
ゲーム開始から考えるとキャラかぶりの禁止やロールの人数固定化など、様々な調整が入ってきた箇所ではありますが、人数はいつも6人でした。
ですがついにその人数にもメスが入るということで、多くの人が反応していますよね。
今回削除の対象となるのはタンクロール。
つまり『Overwatch2』では、タンク1人・ダメージ2人・サポート2人の構成で戦うことになります。
もちろん、現在の環境そのまま5人になるのではなく、後述するロールごとのパッシブの追加や、一部スキルの変更などが加えられ、5人にあったバランスへと調整されていくことに。
開発者からの話ではタンクがより「ブロウラー」的な立ち位置になるとかなんとか。
ロールごとのパッシブ追加
これは以前からも言われていたものですね。
タンクはふっとばされる距離が減り、ダメージを受けた際に相手のUltゲージが上がりにくくなるようです。
また、ダメージは移動速度が速くなり、サポートはマーシーのような自動ヒールがつくそうです。
CCスキルの一部削除などの調整
メイの「凍結ブラスター」やウィンストンの「テスラキャノン」に調整が加えられます。#オーバーウォッチ2 でのメイの「凍結ブラスター」は敵の動きを遅くすると同時にダメージを与える点は変わりませんが、敵を凍結することはありません。 pic.twitter.com/EPEK8dmUVO
— オーバーウォッチ (@jpPlayOverwatch) May 20, 2021
メイの攻撃による凍結など、相手の動きを妨害するようなスキルをCC(クラウドコントール)スキルと読んだりするのですが、そこにも調整が入ります。
タンクが減ることによってCCを受けてくれるタンクがいなくなったり、そもそもCCコンボによって一瞬で溶かされてしまうような状況がよくない、と判断してのことかなと感じています。
ただし、自衛のために必須となるようなものや、フランクできるヒーローへの対策として使ってほしいと考えているものについては、多少の調整は入るでしょうがスキル自体は残るかもしれません。
ステージサイズの拡大化
ステージの拡大化と書きましたが、個人的にはそこまで広いとは感じませんでした。
ただ開発陣からはチョークポイントを抜けるのが簡単になるように調整しているという話も出ており、ハナムラの門での膠着のようなゲームが進まない状態は軽減されるかもしれません。
また、狭いと感じなかったと書きましたが、それはハイブリッドルールやペイロードのマップについての話で、新ルールとなるプッシュのステージは全体的に広く、両チームが入り乱れ、乱戦となるシーンが多く感じました。
ルールの都合上、プッシュ用のマシンの位置へ移動するのが簡単でなくては行けないなどの制約があり、それを受けてのものかもしれません。
プッシュの追加などのルール変更
上でも書きましたが、新ルールとして「プッシュ」が追加されます。
また、「アサルト」が基本ルールからは外れます。
アサルトは個人的には嫌いじゃないのですが、ルナコロニーやパリなど、ゲームバランス上問題のあるステージが多いことを考えると、ユーザーが満足できるようなステージを作るのが難しい、という背景もあるかもしれません。
Overwatch2はどうなる?
色々まとめていて思ったのは、開発側が大きな問題だと感じているのはこのあたりなんじゃないかと。
- タンクの選択率が低い
- 試合が膠着してしまうことが多い
タンクが不人気なのはマッチング成立にも問題が出ていると思いますし、今後の運営も見据えると解消しないといけない問題です。
なので、タンクを面白くするのと必要なタンクを減らすという2つの手を選択したと考えられます。
タンクがより好戦的に立ち回れるようにするために、ロールパッシブによる恩恵や、ファイアストライクが2発撃てるようになるような調整を加えるのでしょう。
ただ、同時に問題も出てきます。
例えば、サブタンクとして運用されていたザリアやD.vaがメインタンクとして活躍できるようにならなければなりませんし、そもそもタンクが1人減ることでダメージやサポートが危険にさらされる機会が増えます。
そこで、タンク勢のタンク性能の上昇を行うと同時に、ステージ内に遮蔽物を増やすことで自衛手段を残す方向になったのではないでしょうか?
また、CCスキルもこの方針で考えると、防衛手段として使うことができるものを中心として構成され直すことになるでしょう。
アナのスリープダーツは残すが、メイの凍結はなくすというのはここに起因していると考えることができそうです。
では、タンクがより好戦的になり、ダメージはフランクしやすくなり、サポートは自衛しやすくなるとどうなるのか。
一番極端な想像ではありますが、それぞれが自由に戦うチーム戦とは別の方向へ進むことになるでしょう。
自分でガンガン戦えるようになったタンクはチームとしてではなくよりダメージロール的な動きがしやすくなりますし、フランクしやすいということはダメージロールはまとまって動くのではなく個人で立ち回る機会が増えるはずです。
また、サポートロールも自衛ができることから、他のプレイヤーと一緒に動かなければ死ぬという呪縛から解き放たれるかもしれません。
これらはステージ上に増えた遮蔽物によっても助長されます。
でも、開発陣が目指しているのはそこではないと思うんですよね。
長い開発の中で当初目指していたものから離れてしまったのでそこへ立ち返る、というようなことも言っていましたし。
だとすると、それらをつなぎとめるのが何か?という話になります。
各プレイヤーが個々の動きに走ってしまうとすると残っているのはゲームルールかもしれませんが、プッシュのステージを見た限りではかなりフランクが多くなりそうな気がするんですよね。
とはいえ、デスマッチではなくオブジェクトを優先するゲームルールであることは変わらないため、最低限目標の共有とチームとしての動きは必要なものとなります。
また一度立ち返ってそもそも膠着する状況というのを考え直してみると、攻め側のチームの実力が足りずに「防衛有利」を超えられないときか、両チームの実力が拮抗していてチームとしての力量差が表出しない状況になったときに発生するものです。
それを考えると、実力不足や知識不足のユーザーに対して「チーム戦」というものを過度に押し付けすぎていた、とも捉えられるかもしれません。
それらから考えられる開発が目指しているラインは、「初心者や下手なユーザーには個々の動きで楽しんでもらいつつ最低限ゲームルールでのチーム戦への理解誘導を担保」「上級者はチームでうまく立ち回って戦う戦略性を提供」、なのではないでしょうか?
そしてその塩梅は各ヒーローのパラメータ調整に掛かっています。
ブリザードが、もともと目指していたコアを残しつつ、このような思い切った変更に踏み切ることができたのは、5年間の蓄積があるから。
5年間の調整で得たノウハウを全力投入し、それを実現させるために『Overwatch2』での仕切り直しを図るわけです。
また、蓄積されたのはノウハウだけではありません。
5年間で集まったユーザーたちがいるから、ついてくることのできる「上級者」がいるからでもあるはずです。
すでに醸成されているユーザー層の存在が、開発の目指すラインへ到達するための前提になっているのではないかと私には思えるのです。
さいごに
『Overwatch2』がどうなるかと言いつつ、最後は開発陣がどのように考えて今の判断に至ったのか……触りの部分だけではありますがそういった部分についても想像して考えてみましたがどうだったでしょうか?
いや違うよ!という意見もあるかと思います。
そんな場合はコメントなどでご意見いただけるとありがたいです。
最後になってしまいますが、個人的には5vs5は概ね賛成という立場でいます。
前提となっているであろうタンクいない問題は普段プレイする中でも感じるものですし……自分自身タンクを選ぶことが多いので寂しい気持ちはありますが、それよりももっと面白いゲームにしてくれると信じている部分が大きいんでしょうね。
もちろん、6人でチームを組んでプレイしていた人、そしてプロからすると困った事態であることもわかります。
ただ、行き詰まりつつある『Overwatch』を今のまま進めていってもIPとしての寿命を消耗していくだけなのも想像できるでしょう。
それらを総合的に見ると、タンクを1人削って5vs5にすることに賛成ではある、という感じ。
色々書きましたが、実際は発売されるまでわからないのでなんとも言えない部分が多いので(上では触れていませんがスナイパーどうするんだ問題とかもありますし)、2を楽しみにしつつ、2が出たら遊べなくなる6vs6での対戦を今のうちに楽しんでおくのが良いのかなと思っています。