雰囲気が好みで以前から気になっているゲームがあります。
それは霧の朝を舞台にしたテキストアドベンチャー。長いものではないようで、公式にも「短編」として表記されています。
午前5時に家を出て、午前8時を迎えるまでの3時間を描く物語は、それこそ朝の霧のようにいつの間にか終わってしまうようなものなのかもしれません。
そんな淡い雰囲気のゲーム『午前五時にピアノを弾く』を紹介していこうと思います。
午前五時にピアノを弾くってどんなゲーム?
最初にも書いた通り、『午前五時にピアノを弾く』は短編テキストアドベンチャーです。舞台となるのは取る町。その町の朝の早い時間、ときどき濃い霧が立ち込める。その霧の中出かけて、それっきり帰ってこない人がいる、というような話も聞く……。
そんな霧を、理由もわからないけれど好きだと感じている主人公の少女が、霧の出た午前5時に家を出て霧の中をさまよい歩くことになります。
選択式のテキストアドベンチャーで、常に2つの選択肢が提示されるとのこと。
選択によってパラメータが変化していき、物語が進んでいきます。その結果、少女も霧の中から抜け出すことができるのか、それとも抜け出すことができずにどこかの誰かと同じように帰ってこない人になってしまうのかが決まるのでしょう。
パラメータを見てもらうとわかると思いますが、その中には少し不穏なものも……。
選択によってパラメータが増減するのですが、そこに並ぶのは「眠気」「渇き」「狂気」「充電」の4つ。眠気は時間帯を考えるとわかりますし、渇きもまだ想像できるのですが、その次が狂気です。霧の中でさまざまなものに出会うそうなのですが、その中にどのようなものが登場するのかが気になりますよね……。
ゲームの目標は午前8時を迎えること。
そのためには4つのパラメータが上限に達することがないようコントロールする必要があり、上限に到達するとゲームオーバーになってしまいます。どの選択肢を選ぶのか。8時を迎えるためにパラメータの状況と相談しつつ、適切な選択肢を選んでいく必要がありそうですね。
まぁ物語を追う中で少女のように霧に惹かれてしまうのであれば、その限りではないかもしれませんが。
現在公開されている登場人物は主人公の少女と、記憶を失った男性の2人。
山の中のログハウスに家族と住んでおり、その家も霧と同じくらい気に入っています。けれどもうすぐ引っ越しが予定されていて……。お気に入りの家を、そこで過ごした時間を忘れたくない、そう思いながら、霧の中を歩いていきます。
それに対して、霧の中で少女が出会う記憶を失った男性は、少女にこういうのです。「ぼくは何もかも忘れているけど、意外と平気なものだよ」と。
他に登場人物がいるのかどうかわかりませんが、少なくともこの2人は記憶というものへの感じ方が真逆。それが物語を進める中で少女の心情に変化などを与えてくれるものになるのかもしれません。
開発を行ったメンバーのうち、企画・制作・シナリオを担当したのはKazuhide Okaという人物。この方が以前作ったゲームに『ナツノカナタ』というものがあります。
こちらもテキストアドベンチャーなのですが、少し形式が特殊。
主人公は偶然見つけた古いコンピュータを使って、出会ったことのないナツノという少女と交流を行うことになります。ナツノの世界は私達の住む場所とは異なり、パンデミックによって崩壊しているため、ナツノは独りで旅をしているとのこと。そんなナツノに対してできるのはコンピュータを使ったコミュニケーションのみ。そのコミュニケーションというのが、実際にテキストを入力してナツノに情報を伝えるというもので、その言葉をナツノが受け取って行動を行ってくれるんですよね。
選択肢を選ぶのではなく、状況を見て、またはナツノに意見を求められてテキストを打ち込むアドベンチャーということで、少し気になっていた作品です。
まだ遊ぶことができていないのですが、そちらも独特で面白いゲームとのことなので、今回紹介する『午前五時にピアノを弾く』をプレイした後や、リリースされるまでの期間で遊んでみるというのも良いかもなと思っています。
さいごに
淡く、消えてしまいそうなのに、謎の多い作品になりそうな本作。
リリースは5/2、価格は無料とのこと。プラットフォームはSteamなので、PCを持っている人は一緒に遊んでみて、感想を言い合えると良いですね。
どんなゲームなのか、実際のところは当然まだわからないので、リリースされるのが楽しみです。