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ゲームレビュー:NOSTALGIC TRAIN ジオラマの中に入り込んで物語を体験するウォーキングシミュレーター

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こんにちは。譲治です。
毎日暑い日が続き、今年も夏になろうとしていますね。
そんな中、そういえば田舎の夏景色をゆっくりと楽しめるゲームがあったなと引っ張り出して来たのがこちら『NOSTALGIC TRAIN』です。
初めて見たときからこの風景の中を探索するのが楽しみだったので、ちょうどセールだったこともあり購入して遊んでみたのでその感想を書いていこうと思います。

ストーリーについてはネタバレが含まれますので、気になる方はお気をつけください。

NOSTALGIC TRAINってどんなゲーム?


NOSTALGIC TRAIN 発売日告知トレイラー

 

夏。忙しなく鳴く蝉の声や川のせせらぎが耳へと届く。
遠くからは電車が出発しようとしているのだろうか。踏切の音が聞こえ始めた……。

そんな田舎を見て回ることができるのが、NOSTALGIC TRAINというゲームです。

アドベンチャーゲームのようなストーリーはありますが、分岐があるわけではありません。
また、アクションやパズルのような要素があるわけでもありません。

開発者である畳部屋さんはこちらのインタビューで以下のように話をされています。

ちょっと歩いただけで景色が変わり、別の景色や建物が出てくるというウォーキングシミュレーターとしての体験を生み出したかったんです。狭いけど、色々な角度から見たら面白い。それってまさにジオラマだと思うんですけど、「ノスタルジックトレイン」ではそういう部分に力を入れています。

www.gamer.ne.jp

こちらにかかれている通り、このゲームは『ウォーキングシミュレーター』です。
好きに歩き回ることができるジオラマというのが正しいと思います。

ストーリーモードもありますが、3時間かからずに話を見終えることができるでしょう。
私は2時間ですべて見終えることができました。

PC(Steam)でのみ販売されており、対応言語は日本語のみです。

 

ストーリーモードについて

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主人公である自分には記憶がありません。
そして、いつの間にかたどり着いていた夏霧という街には誰も人がいませんでした。
記憶を取り戻すために、それほど広くはない田舎の村を歩き回り、手がかりを集めて回る。
ストーリーはそのような導入で始まります。

最初の手がかりとして手に入るのは『神隠し』の話。
ここ夏霧では神隠しにあって人が消えてしまうことがあるのだとか。
基本的にはその人は帰ってこれないのですが、なんとか帰ってこれた人がいたとのことで、主人公はその人が行ったように現世とのつながりを求めて探索して回ることになるのです。

お話自体はそこまで突飛なものではありません。
ただ、複数のエピソードを読んでいき、それらが収束していく流れは心地いいものでした。
そしてその先への期待が高まるようなものでした。

しかし気になる箇所はたくさんあって、その心地よさや高まりを遮ろうとしてきます。

ストーリーの結末についてはいいでしょう。
自分の好みではなかったとしておきます。

神隠しの設定が最後神隠しにあってしまったのも仕方ないですね。
最初に出てきた『戻れた人』の話が回収されていないのですが、ただの説明だったのだと納得することにしましょう。

ですが、右クリックの探索モードを使わないと探索ができないことだけは納得できません。
探索モードは右クリックを押すと発動するモードで、一定時間探索できる場所に光の玉を表示してくれます。
これによって次に行くべき場所がわかるという機能なのですが、上に書いた通り探索モードを使用しないと次に行くべき場所がわからないんですよね。
なので、ひたすら右クリックを連打しながら村を歩き回るという情緒もなにもない状態になってしまいました。

これが本当に残念でしたね。
探索する場所はそうでなくてもわかるようにしておいて、どうしてもわからないときに右クリックを使うようなお助け機能にしておいてほしかったです。
ノスタルジックな風景の中でやっていることはFlashなどでよく遊んだ、『調べられそうな場所をひたすらクリックするタイプの脱出ゲーム』と同じになってしまったのですから。

 

フリーモードについて

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ストーリーモードについてあれこれ書いたので、次はフリーモードについて書きましょう。
こちらはまさにこのゲームに求めていたものと言えるような散策ができるモードです。
ノスタルジックな風景を目指して作ったジオラマの中を自由に歩くことができます。

電車が走る間隔や昼夜、天候変化の周期などを設定し、好きな状況を作ることができるので、限られた範囲にもかかわらずゆったりと遊ぶことができるようになっていました。

ストーリーモードでは走っているところを外から見ることができなかった電車を見ることができたりもするので、つい何枚もスクリーンショットを撮ってしまいましたね。

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さいごに

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このゲームをおすすめできるかと言われると、正直オススメできないというのが本音です。
ですが、この風景を見て回りたいと強く思うのであれば買っても良いのかもしれません。
それでも元の値段ではなく、セール期間中などの少しでも安くなった状態で買うことをオススメします。
ジオラマの中に入り込み、自由に探索できるフリーモードは面白かったのですが、そのために1200円出すのはちょっと高いんじゃないでしょうか。

せっかくの風景ですし、もう少し遊ぶ人の没入感を邪魔しないような工夫が必要だったように感じられました。