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ゲームレビュー:MINDHACK アーリーアクセス版 タイピングで悪人の頭をお花畑に変えてしまう明るいディストピア

他者への攻撃性、殺意、加虐欲。
そういった人格における欠陥をバグとして扱い、修正することができたら、この世界から悪人というものをなくすことができるかもしれません。

そんなディストピア的な体験で、悪人の頭の中をお花畑に変えていくゲーム『MINDHACK』のアーリーアクセス版をプレイしてきました。

人の頭の中を覗き、人格を矯正していくゲーム。
どんな内容なのかを紹介していきます。

MINDHACKってどんなゲーム?

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『MINDHACK』は、一人称視点のテキストアドベンチャーです。
人間の思考や精神が解き明かされた本作の世界では、バグと呼ばれるような人間としての欠陥を抱えた者を収容し、マインドハックと呼ばれる技術で強制的に更生させるといったことが行われています。
主人公であるあなたは、天才マインドハッカーとして悪人の記憶や精神など、頭の中を覗いて問題箇所の修正を行うことになります。

更生対象となる悪人はウニのような頭の暴力団リーダーや、宗教団体の信者など、様々な人物。
それらの頭の中に接続して、その中身を探っていくことに。

内面を覗いたら最後は修正パート。
キーボードを使って、悪人の精神や思想に基づいた言葉達を相殺していき、悪人たちの中身を壊していきましょう。

破壊衝動はあってはいけないもの
しっかりと壊して、頭をお花畑に変えていくのです。

そんな『MINDHACK』を第3章まで遊ぶことができるのが今回配信開始されたアーリーアクセス版です。
フルバージョンとなる製品版ではありませんが、ゲームの魅力を感じることができるようなものになっていたように思いますね。このへんはこの後もう少し詳しく書いていくつもりです。

アーリーアクセス版はだいたい1時間~1時間半ですべて堪能することができるくらいのボリューム。ガッツリ遊びたい人は製品版を待つのも手かもしれません。
それと、対応ハードなんですが……タイピングが重要なゲームなのでPCのみになるんじゃないかと思います。
今回はSteam版をプレイしてみたので、その感想を書いていこうと思います。

人格を壊し、修正していく体験

説明でも書きましたが、主人公である「先生」は天才のマインドハッカー。
高性能AIであるFORMATに指示されながら、悪人のマインドハックを行っています。
主人公の姿は終始描かれることがないのですが、手だけは例外。
白い手袋をした手が画面内に常に映っており、その動きからは妖艶さ・耽美さのようなものを感じることも。滑らかに花を愛でる様子なんかは主人公の性格が垣間見えるようにも感じられます。

手の動きがキャラクターの性格を表現している、というのが結構面白い見せ方だなと感じていて、時にはサムズアップしたり、指をぱちんと鳴らしたりして、少し陽気な雰囲気も。
マインドハック時はそれが加速するというか……言ってしまうとサイコパス的な雰囲気というか……。これは実際に遊んでみて、手の動きを体感してもらいたいところ。

そんな主人公が行うのは悪人の精神に直接接続しての修正行為です。
精神の壁をかいくぐり、その内側にある本音を覗き込む行為は、かなりのディストピア感。どんなことを考えているのか、なぜ犯罪を犯したのか、といったことをその人物の幼少期の体験などを掘り起こしながら確認していくことになります。

時には悪人として登場した人物の見え方が変わってしまうような情報も出てきて、プレイしている側としては「あれ?そこまで悪いのか……?」とか「別の更生方法もあるのでは……?」と感じる瞬間も。
ただ、それでもマインドハックを行うしかないのです。だってバグはあってはならないことだから

ゲームのメインパートとなるタイピングパートは、悪人の精神に浮かぶ言葉を相殺する人格矯正です。タイピングゲーなので、少し懐かしさもありますが、直接精神に文字を刻み込むような感覚もあり、このゲームならではの体験だと感じました。
なんだろう……人格を上書きしていくような恐ろしいことを直接行っている感覚、とでも言うんですかね。行っている行為に反した明るいお花の演出も相まった独特な体験でかなり好みでした。

バグ、そして『魔王』

物語を進めていくと強烈なバグを持った人間であり、10年前甚大な被害をもたらした『魔王』なる存在についての話が登場します。
凄まじい破壊衝動とそれによる人的被害……。バグが活性化した時の周囲への影響はものすごく、大量の死者も出た模様。
対バグ部隊であるホットフィックス部隊が10年前に対処した、と言われていますが、実際は再び復活する予兆があり……という、ゲームの軸となる物語も展開され、マインドハッカーである先生がどのように悪人と対峙していくのかが楽しみになります。

また、AIであるFORMATも謎の多い存在で、昔から居たようなのですが実態がつかめません。主人公へ我が子のように接する姿は薄気味悪さを感じる部分でもあります。
ホットフィックス部隊の隊長であるレベッカが数少ない清涼剤なのですが、今後バグ側に転落する展開もあるのでは……?というようなことを疑ってしまう……。3章まで遊んだだけでも、このゲームの裏側にあるものへの疑いや気味の悪さを感じていて、製品版が楽しみで仕方ありません。

さいごに

タイピングで他人の精神を修正していくゲーム『MINDHACK』。
実際に自分が打ち込む動作をすることもあって、直接手を下している感覚が強く、より恐ろしさを感じることができるゲームだと感じました。

タイピングパートの説明では書きませんでしたが、時間制限などはなく、失敗も許容されているため、シナリオを見るだけであればタイピング精度も時間も気にせずプレイすることが可能です。また、クリア後に再挑戦することもでき、そこで一定以上の入力速度を達成できればTipsも開放されるようになっているので、気負わずにプレイすることができますね。

ちなみにTipsをすべて見ることで開く実績もあるので、犯罪者たちの裏側を垣間見ることのできるTipsもしっかり獲得するのがおすすめです。

 

そうそう、裏側といえば開発公式サイトではスピンオフ作品なども公開されています。

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日常風景なども描かれているので、作品が好きになったらこちらも見てみると良さそうです。

mindhack.xyz

 

今回はアーリーアクセス版ということで全3章でしたが、製品版では倍以上の章が用意される模様。ブログ内ではこれでちょうど半分くらいになる予定とのことでした。
3章までではタイピングの縛りがゆるく簡単めでしたが、後半ではもっと難易度が上がったりもするかもしれませんし、別の要素が登場するかもしれません。
また、ゲームシステム以外では物語の展開がどうなっていくのかも気になる部分で、主人公がどうなってしまうのかが特に気になるんですよね……。
最初の新人が先生にあった時の反応とか、少しおかしな部分もあったので、先生の見た目についてなどなど、隠されている要素が明かされていくことを期待しています。

まだ途中ですがそれでもすでに強く惹かれてしまう『MINDHACK』。アーリーアクセス版を購入すると追加料金なく製品版もプレイできるようになるのでお得です。
ぜひ遊んでみてください!