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ゲームレビュー:Kena: Bridge of Spirits 現世でさまよう魂を導く難易度高めのアクションアドベンチャー

こんにちは。譲治です。
スピリットと呼ばれる死んだものの魂はこの世から離れ、次の世界へと旅立っていきます。ですが、すべてのスピリットが独りで次の世界へ到達できるわけではありません。未練から現世へ残ってしまい、危険をもたらしてしまうことも。
そんなスピリットを次の世界へ導くスピリットガイドという存在を主役に据えたゲームが『Kena: Bridge of Spirits』となります。

少し前にクリアしたので、感想を書いていこうと思います。

Kena: Bridge of Spiritsってどんなゲーム?

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アメリカのスタジオEmber Labによって開発されたアクションアドベンチャー。ストーリーを主軸として、探索や戦闘を繰り広げていくことになります。

ROTと呼ばれる精霊のような存在を仲間にしていくことで、ものを運んだり、ギミックを操作したり、戦闘では相手の動きを止めるなどの協力をしてもらうことができるように。この要素が本作の大きな特徴の1つで、ピクミンのような感覚が近い気がします。

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ちなみに、開発スタジオであるEmber Labはコマーシャルや短編アニメなど、CG作品を手掛けていたことスタジオ。
上の動画はこのスタジオが作成したムジュラの仮面のファン映像なのですが、表情の作り方などこのスタジオならではのクオリティを感じることが出来ます。
このようにディズニーピクサー的な表情や質感を得意としていることもあり、ゲームにおいても魅力的なグラフィックが特徴となっています。

プレイすることができるプラットフォームはPS5/PS4、そしてPC(Steam、Epic)。ソロプレイ限定でマルチプレイなどはできません。
クリアまでは12~15時間くらいかなと。もちろん難易度にもよるので、最も難易度の高いマスターでプレイするともっと時間がかかってしまうかもしれませんね。

歯ごたえのあるアクション

スピリチュアルな雰囲気のあるアドベンチャーなのですが、本作はただのアドベンチャーではなくアクションアドベンチャー。しかもそのアクション要素は結構難易度が高く歯ごたえがしっかりあります。

戦闘ではザコ敵であっても体力を大きく削ってきますし、遠距離から一方的に攻撃してくるものもいます。また、素早い攻撃を繰り返してくる者や、特定の方法でないとダメージを与えられないものも。
ボス戦は特にギミック的な要素も強く出てきますし、更にしっかり覚えて立ち回る高難易度アクションゲームらしさみたいなものを感じましたね。

個人的に面白いと思ったのはリソース管理の部分。
敵を攻撃すると特殊な攻撃用のスキルポイントのようなものが溜まっていきます。

このスキルポイントは精霊のようなROTに協力してもらうためのポイント。強力な特殊攻撃や相手の動きを一定時間止めてもらう、そして体力の回復のためにもこのポイントを使用することに。攻撃・支援・回復の全てをこのポイントに頼るため、相手をしっかり攻撃しなければならず、好戦的な戦い方になりやすい作りになっていると感じました。

ただ、弓(と爆弾)が結構制約のゆるい攻撃手段として登場するので、あんまりリスク取らずに戦うこともできるようになってしまいます。終盤は弓に頼ることが本当に多くなってしまったので、このへんのバランスがちょっと物足りないと感じる人もそれなりにいるかもしれませんね。

探索と戦闘とがうまく絡み合うバランス

戦闘だけでなく探索の要素もしっかり詰まっています。
壁のぼりやステージごとのギミックによる謎解きを行っていくような場面も多く存在。そういったエリアの先にはROTがいたり、体力上限の増える瞑想スポットがあったりと、探索したくなる隠しアイテムやスポットがいろんなところに散りばめられています。

謎解きの面だと、中盤以降手に入れることのできるスキルの「爆弾」を使うと、岩が浮かび上がり、いままで行けなかった場所を繋いでくれる道になるというものがあります。ただし、そのままだと通れないので別の箇所を動かしておく、足場を回転させる、ジャンプして別の場所を経由するなど、アクション要素も交えた謎解きが必要な場面も。

先へ進めば進むほど今まで覚えた要素との組み合わせを考えて謎解きをしなければならないので、難しい箇所もありますがわかったときの気持ちよさもひとしおです。

物語を進める中で手に入れたスキルを使って戦闘したり、探索したり、謎を解いたり……様々な要素がうまく絡み合っているんですよね。
戦闘だけのスキルでも探索だけのスキルでもなく、どちらでも使えるスキルをどのように使うかというだけ。これによって戦闘にプラスになる要素を見つけたり、収集要素を発見することもあります。

このように色々な要素が絡み合っているお陰で行動がうまくつながって、やらなきゃ……のような義務感ではなく、これ使ったら向こういけるかも、なにかあるかもみたいな好奇心でゲームを進めることが出来たのかなと感じましたね。

徹底された青と赤のルール

ゲーム全編を通して、青と赤がずっと使われているのですが、そこには明確なルールがあるんですよね。
青いものは良いものであり、ケーナの能力で影響を与えるものができるもの。赤いものは逆に敵や悪いものとして登場します。

赤い蕾にROTを飛ばして、青くする(アクセスできるようにする)のはわかりやすい例ですよね。

赤と青を明確にわけることで、ゲーム的にかなりわかりやすくなっていると感じました。プレイヤーが考えるべきは青に触れること。そのためにスキルをどう使えばよいか考える……というように思考が一本化され、学習したことをそのまま他の場所でも利用できるような作りになってましたね。

アジアンテイストな世界観

本作は自然豊かな山やその周辺の村を舞台に探索をしていくのですが、結構アジアというか日本的な要素が多いんですよね。桜の木・神社の鳥居・お地蔵様に狐のモチーフ。登場人物の名前にも和名と思われるものが使われているなど、日本人が見ればなんとなく親近感の湧く要素が多いんじゃないでしょうか。

和風だとかアジアンだとか関係なく、全体的にきれいな世界なので探索していて楽しいというのもありますね。遠くが見えるような場所に着いたときはつい周りを見渡したり、スクリーンショットを撮ってしまいます。

そして、きれいな世界だからこそ「異変」がより異常に映るわけです。

先程の青と赤の例ではありませんが、普段きれいだからこそのギャップによって、はっきりと良くないことが起きていることがわかるようになっています。赤を使っていることからもわかりますが、そのためにも通常時との差別化が必要。それがうまく出来ている作品だと感じましたね。

さいごに

結構難易度の高いゲームではありますが、きれいな映像や演出を見るためにも遊んでみてもらいたいと思えるゲームでした。
また、探索したいと思える地形や覚えたことを使いたくなる感情の導線もしっかり作られていて、遊んでいて本当に面白かったですね。

ストーリーは少し難しく、理解しにくい要素もあったりしますが、成仏的な考え方なのだと理解しておけば大丈夫かなと。

最初に書いた通り、そこまで時間のかかるゲームではないので、少し時間のある日に少しだけ遊んでみるのでもいいので、遊んでみてもらいたいゲームだなと思いました。とにかく映像がきれいなんですよ……。

今までプレイしたアクション・アドベンチャーの感想はこちら。

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