新年一発目のレビューがこれで良いのか? という気もしますが、まぁいいでしょう。
今回は「振り返らずに変えるだけ」のアドベンチャーゲーム『孵道』をプレイした感想を書いていこうと思います。
タイトルにも書きましたがこれ、ホラーです。
ただ、めちゃくちゃ怖いわけではないので、そこまで身構えなくても大丈夫なくらいでしたね。
孵道とは?
『孵道』は2024年8月にリリースされたホラーアドベンチャー。
開発したのは法螺会というインディーゲームサークルで、『奇天烈相談ダイヤル』を開発したところでもあります。
あれもあれで気になっているのでどこかでやっておきたいんですよね……。
他にもホラーノベルなども開発しているサークルの作品なので、ホラーゲームが好きな人であればすでに知っているかも。
あと、割と話題になってYoutubeなどでは配信者によるゲーム配信なども行われていたので、そちらを見て知っている人もいるかもしれませんね。
主人公の少年は、小学校のホームルームで言われた「帰りは振り返っちゃいけない」という話を守りつつ、帰路についているところ。
ただ、振り返ると「何が起こるのか」は知りません。
友人と思われる別の少年は何か良くないことが起こると知っているようですが、それ以上のことは教えてもらえず分からずじまい。
まぁ普通に考えて、死ぬとかそういうことなんだろうな、という気がしますが。
ストーリーとなるものは主にこれだけ。
何かを解き明かすであるとか、何かを集めるだとかそういう話はありません。
シンプルに「振り返らないで帰宅する」ことのみ。
そこで出会うあれやこれがホラーとしての要素になってくるというわけです。
ゲームのシステムもとてもシンプルで、登場するボタンを正しくクリックする、というだけになっています。
それもあってマウスのみの対応なので注意が必要です。
ポイントクリックアドベンチャーという書き方をされたりもしているようですが、ランダムで出現するボタンを制限時間内にクリックしていくのはQTEと言ったほうがイメージしやすいでしょう。
ひたすらにボタンをクリックしていく正確性が求められるのですが、恐怖体験中に発生するというのがずるいですよね。
怖いものが苦手な人だと、慌ててしまって失敗……ということもありそう。
このようなゲームを乗り越えつつ、最後まで到達できると無事クリア、となります。
配信はSteamかBOOTH。
プレイ時間は普通にやると20分くらいで、全エンディングを回収しようとすると1時間半くらいかかるかな、というボリューム感でした。
シンプルながらも面白いQTE
最近でこそ少し風潮が変わってきたかもしれませんが、ゲーマーってQTEがあまり好きじゃない人結構いると思うんですよ。
でもそれって別のゲームをやっている時に突然出てくる別ゲーだからなんだなというのをこのゲームを通して実感しました。
最初からQTEしかないと全然気にならない。(クイックタイムイベントの略だから、実際は別物と言えるかもしれませんが)
ひたすらにポイントクリックしていくのですが、制限時間という縛り、場所が毎回変わるという変化が組み合わさることで、難易度が上昇していきます。
難易度が上がるとボタンの数が増えるだけでなく、ダミーと呼ばれる偽物選択肢も登場。
これをクリックしてしまうと当然失敗になります。
制限時間・ランダム出現のボタン・ボタンの数・偽物選択肢
これらが絡み合うことで、求められる正確性の度合いが上昇していき、シンプルにポイントクリックとしての難易度があがっていく、というわけです。
単純なのですが、これが面白い。
そして失敗すると死ぬので失敗したくない気持ちがずっと頭をよぎる……。
ただ、恐怖表現自体がそこまでではないので、ホラーが得意な人であればあまり怖さは感じませんし、何度も繰り返すことで怖さは薄れていってしまいます。
さらに、QTEに集中すると周囲に気が配れなくなるというのもあって、怖さから遠のいてしまうような印象もありました。
面白いのですが、「ホラーを楽しむ」を目的としてプレイすると物足りなくなってしまうかも、という感じでしょうか。
それが少し残念でしたね。
好みの演出たち
失敗して振り返ってしまうと死亡演出が流れたり、ゲーム中もジャンプスケア的に突然驚かせる演出が入ったりします。
1つ上の項目でも話したように、正直慣れていってしまうので初見で感じた印象というか衝撃が大事なんですが、逆に何度も繰り返すことで驚きに繋がったものがあります。
それがこちら。
説明してしまうと実際にプレイする面白さがなくなってしまうので多くは語りません。
逆にプレイ済みの人であれば、「あれのことか」とピンと来るのではないでしょうか?
全10種あるエンディングを回収していた際に遭遇したこちら。
1回目や2回目では気づかなかったのですが、ある演出が入ったことで「あれ? もしかして?」となり、そしてその後の展開で驚きに変わったんですよね。
これが一番テンション上がったのでぜひ意識してプレイしてみてもらいたいです。
さいごに
ゲームシステムやストーリーがシンプルなので、サクッとプレイすることができるゲームでした。
途中で書いたように、ホラーとして楽しめるかというと少し微妙なところはありますが、びっくりする箇所は結構あったのでそういう意味で楽しむことはできるかな、と感じています。
あと、だんだん自分の精度があがっていくのも面白い。
単純操作系が好きな人にもおすすめできるゲームかと思いますね。
音にこだわったゲームのようなので、ヘッドホンやイヤホンを使うのがおすすめされています。
未プレイの人は機材を準備してみるとより楽しめるんじゃないでしょうか。