こんにちは。譲治です。
今回は前回の続き、『Inscryption』についての感想めいたなにかの後編です。
前編にも書きましたが、今回はネタバレありになります。
まだプレイしていない人はまずはそちらを読んでみるか、そもそも記事なんて読まずにゲームをプレイしてください。
PC・PS4・PS5・Switchなんかで遊べますんで。
あともう1点。
今回もレビューではありません。感想みたいなものです。
クリアしてからの気持ちをあれこれ書き殴ったものです。
どこかに吐き出したいので吐き出す、くらいのものです。
なので、内容については色々と意見ある人もいるかと思います。
そういったあれこれについては、コメントなどで指摘してもらえると大変ありがたいです。
それではいつもより前置きが長くなりましたが、ネタバレありの感想を書いていこうと思います。
何が起きているのか?
前回の記事でも書いた山小屋の話。
あれはレシーとのやり取りでした。
レシーを倒し、それで終わり……それでも充分ゲームとして面白かったと思います。
が、Inscryptionはそれでは終わりませんでした。
そう、「ラッキー・カーダー」なる人物の映像が始まるのです。
彼はTCGの開封動画を投稿する配信者のよう。
ただ、「Inscryption」というカードゲームの開封動画のせいで何やらおかしなことに巻き込まれていく……。
このあたりは、「急に何が始まったんだ?」と思いつつ、「もしかしてようやくInscryptionが始まったのか?」と驚愕と興味が膨らみ始めた段階だったと記憶しています。
知人から「変なゲーム」「やばいゲーム」というようなざっくりとした話しか聞いていなかったこともあり、言わなかった理由に触れ始めたような、そんな気持ちでしたね。
さらにそこから、掘り起こした『Inscryption』が始まる流れは最高。
ゲーム開始時に選べなかったニューゲームが選べるようになっており、急激にゲームが加速していくのを感じました。
その後、Act2と言われるRPG風のパートが始まり、そしてまた映像パート。
続いてP03とのカードゲームというようにゲームがどんどん変化していくのですが、その度に驚き、興味を惹かれ、「何が起きているんだ?」と真相が気になっていき……最後の映像に着地。
が、ゲーム側から(少なくともゲームをプレイしてるだけでは)結末を知ることができないという消化不良感に襲われることになりました。
ここまで変なことをやっておいて、最後にそれが明かされていない感じ、といいますか……。
いや、もちろんP03がやりたかったことや他のスクライブたちの在り方についてはわかっている(つもり)なんです。
ただ、求めていたゲームと違った、というだけで。
こういうことが起きていたのだ
このゲームは複雑な構造になっています。
まず最初のレシーとのカードゲーム。
カードゲームだけでなく、脱出ゲーム的な要素もあり、入れ子のような構造になっています。
その先にあるのは隠されたニューゲームと、それによってリセットされた『Inscryption』。
また次の段階ではP03の作ったゲームの世界というように、次々に異なるゲームが展開されていきます。
ただ、これらのゲームをプレイしているのは私達プレイヤーではありません。
そう、動画の登場人物である「ラッキー・カーダー」ことルークです。
つまり、プレイヤーが触れている『Inscryption』というゲームの中で描かれているのは、ルークが掘り起こしたフロッピーディスクのゲームで、その中に複数のゲームが含まれていた(ちょっと正しくないですが)、というわけ。
さらに言うと、本作は代替現実ゲームと呼ばれる施策の一環として作成されており、開発者のほかゲームを通じて解き明かす謎も存在します。
(それについては詳しい方がいるのでここではあれこれ書きません。当時やってなかったし)
そうなると、先程書いた構造のさらに大枠に代替現実ゲームがある、という大きな入れ子構造が見えてきます。
何を感じたのか?
この構造をすべて理解しないとわからない、というわけではありませんが、かなり複雑かつゲーム内ではどういうことだったのかがわからない状態でした。
ゲーム内ゲームである『Inscryption』についてはわかったが、それをプレイしているルークの最期についてはわからない(というか飲み込めない)し、それを解き明かすためには更に外側を知らなければならない(というように感じられる)ので、プレイヤーとしての私がプレイしている『Inscryption』については結末をうまく受け取れなかった、という感じ。
もちろん面白い/面白くないという話ではなく、「なんだったんだ?」となる状態。(ゲームとしては面白かったと思っています)
驚かされ、興味を惹かれた私自身の気持ちの向け先が見当たらずに困惑した、というのが正しいかもしれません。
序盤、「求めていたゲームと違った」と書きましたが、これは「期待していたものと違った」という意味です。
面白いカードゲームをプレイし、次々と変化するゲームに驚愕し、ルークという存在や『Inscryption』の謎について思いを馳せていたのですが、その解答を得られなかった、というだけ。
調べることで色々と情報は出てくるので、結末らしきものや各種謎について知ることは出来ました。
が、ゲーム内でもっと掬い上げてもらえると期待していたんですよね。
やっぱりゲームという形式を取るのであれば、その中である程度の決着をつけてほしい、と思ってしまいます。
もちろん今作はゲーム外の要素も含んだ代替現実ゲームとしての役割が存在したのだということは承知しています。
ただ、ゲームを始める時にそれを認知していたかどうかの差は大きかったのかもしれません……。
そういう意味でいうと、私は『Inscryption』とすれ違ってしまった、と言えるのかも、と思っています。
(後編の)さいごに
気になる箇所を書いてしまいましたが、次々と変化していくゲーム体験は驚きに満ちていて、どこに連れて行ってくれるのかをワクワクしながらプレイしていたのは確かです。
また、何度も書いていますが、カードゲーム自体や驚きの体験含めて、面白いゲームだったと思っていますし、特別な体験として記憶にも強く残ると確信しています。
ただ、私には消化しきれなかった、というだけ。
両手を上げて褒められるかと言われると微妙……。
でも、同じように驚いてほしいと感じましたし、カードゲーム自体の面白さもあるので、最近のゲームに飽きている人にはおすすめしたいゲームだと感じています。
そんなわけで以上が、私が『Inscryption』というゲームの範囲だと思っていた範囲と、ゲーム側が提示していた範囲がうまくあわなかったことでモニョモニョした、という話でした。
これをどこかに吐き出したかった、というのがこの記事の目的で、分割した意味でもあります。
リリースから時間が経ってしまったのも良くなかったな、と思ったりもしたので、「すごいよ」「やばいよ」と言われたゲームは早めにプレイするよう心がけようと改めて心に刻んでおきます。
(ここまで読んでくれた人はプレイ済みだと思うので、何か大きな勘違いや見落としがあったら教えてもらえると嬉しいです)