
インディーゲーム開発。
自分の作りたいものを作り、それで生きていくという夢。
ただし、その夢を叶えることができる人はそれほど多くはない……。
そんな世知辛さを感じながらゲーム開発をして生きていくゲーム、『孤独なインディーゲーム開発者の一生』の体験版をプレイしたので感想を書いていこうと思います。
いやこれ結構苦しいゲームだぞ……。
辛い気持ちになる可能性もあるので、現時点で辛い気持ちの人は落ち着いてからプレイすることをおすすめします……。
孤独なインディーゲーム開発者の一生とは?
『孤独なインディーゲーム開発者の一生』は独りでゲーム開発をするインディーゲーム開発者の一生をプレイするシミュレーションゲーム。
Steamの説明文では、
「好きな時間に、好きなゲームを作って、好きな事だけして生きていく」 そんな人生を夢見て独立した個人ゲーム開発者が、お金と時間に悩まされながら死ぬまで税金を払わされるリアル指向の人生シミュレーションゲームです。
とのこと。つらい。

ゲーム自体はまず新規企画を決めるところから始まります。
ゲームジャンルや作り方の方針、オリジナリティの入れ具合などなど、どのようなゲームにしていくかを決めるところですね。
凝ったものにすればするほど、完成までの時間がかかりますし、使う機材などによってはお金がかかります。
開発段階では当然お金はもらえないので、別のところでお金を稼いで生活費を補填しなければなりません。

ゲームの基本サイクルはゲーム開発と仕事、家事や余暇、そして睡眠時間のバランスをどうするかを毎月決め、その1ヶ月を過ごすというもの。
また次の1ヶ月も同じように時間を配分し……というように毎月を過ごしていくことでゲームが進行していきます。
その中でうまいことゲーム開発の時間を作って開発を完了させるのが目標になります。
ただし、ゲーム開発に専念しようとするとお金はなくなり、モチベーションは落ち、体調やメンタルを崩すことも……。
そのため、仕事や余暇、そして睡眠時間をうまく確保するのが大切になってくるわけですね。

また、毎月の生活の合間にイベントが発生することも。
うまく乗り切ることで開発しているゲームや自分自身のパラメータなどに良い結果が出たりします。
失敗した場合は、何も得られないパターンとむしろマイナスな効果が付与されてしまうパターンもあるので、しっかり考えて選択する必要がありますね。

ゲームが完成したらリリースです。
リリースした結果は1ヶ月経過すると、何本売れて売上がいくらか、どのような評価がついているのかなどの情報を見ることができるようになります。
……なるのですが、最初はゲーム自体のパラメータが低いのであまり売れなかったりします。
私が初回作ったゲームは1本しか売れませんでしたね……2年近くかけたのに……。
『孤独なインディーゲーム開発者の一生』はこんな感じで生活費を稼いだり、人間としての基本的なパラメータを管理してちゃんと生きていきながら、自分自身のパラメータを上げ、環境を整えていき、知名度も上げて良いゲームを作り出す……そんな人生シミュレーションゲームです。
世知辛さが良い……

ゲーム開発者の一生を体験するシミュレーションゲームということで、食費や光熱費、税金といった支払いが毎月発生し、それによって段々と首がしまっていくという、つらい状況になることも。
最初にあった100万円(この金額でゲーム開発だけで生きていこうとしてるのがびっくりではあるが)がじわじわと減っていくのもつらい。

無理して働いた結果心の病気になることもあってつらい。
そして毎月通院しないといけないので更にお金は減っていく……。

頑張って作ったゲームは1本しか売れず、より生活が困窮していく……。
この、夢と現実の落差が本当につらく、でもリアリティがあって、シミュレーションとして面白い体験になっていると感じましたね。
実際にこうなっていたら心が折れて諦めてしまいそうなものなんですが、ゲームだから大丈夫! みたいな。
私の場合、ここから開発するゲームを2、3ヶ月で作りきれるくらいのボリュームになるようにして、沢山リリースすることを目標に切り替えました。
更にサウンド周りは自分で作ることを諦めて無料素材を使用。
オリジナリティは削って、陳腐なものに。
それでもコンスタントに作り続けるのが大事! という方針ですね。
こういう方針変更を試すことができるというのが、シミュレーションゲームとしての面白さに繋がっているように感じられます。
イベントは少し物足りない

発生するイベントの種類は少し物足りない印象を受けましたね。
もちろん体験版なのでこれから増えていくのだとは思いますが、慣れてくると段々と正解というか安定する選択肢を選ぶだけになってしまいます。
また、「人生」を感じられるようなライフイベントが沢山あったほうが山あり谷ありな体験に繋がりそうなので、もっとイベントに振り回されたかったですね。

ちなみにゲーム内では例のあれ当選しました。
もちろん転売はしてません。本当ですよ。
さいごに

今回の体験版はゲーム内時間で5年間プレイできるというもの。
私はなんだかんだで2時間ほどプレイしたのかなという感じです。
ゲームの雰囲気を知るにはちょうど良い体験版でしたね。
辛いイベントの話ばかりしていましたが、普通に嬉しいイベントもありますし、ちゃんと売上を出せるようにもなるようなので、シミュレーションとしてちゃんと楽しめるゲームだと思います。
製品版では一生を終えるまでプレイできるとのことですし、かなりガッツリ遊べそうなゲームです。
気になった人はまずは体験版をお試しあれ。