こんにちは。譲治です。
最近じわりじわりと話題になってきている(と思っている)十三機兵防衛圏。
こちらをようやくクリアしたので、その感想を書いていきたいと思います。
ネタバレなしで語りきれる自信はないので、ネタバレとか気にせずに書いていきます。
ネタバレなしの感想記事は話題になっていたこれが良いので、読んでおいてください。未プレイでやるかどうか迷っているなら必読です。テストに出ます。
十三機兵防衛圏ってどんなゲーム?
ETや宇宙戦争、そして焼きそばパン。
これらが揃うゲームは世界広しと言えどもこのゲームしか無いでしょう。
令和になったばかりのこの時代に突然現れたSF十五少年漂流記。
それが『十三機兵防衛圏』です。
改めてしっかりと説明していきましょう。
『十三機兵防衛圏』は主人公となる13人の少年少女と、その周りの仲間や大人たちが自分たちの特殊な状況をなんとか打開するために1945年・1985年・2025年・2065年などを転移してその糸口を探し、立ち向かっていく物語です。
主人公である13人はそれぞれ独立したストーリーを持っており、任意のキャラを選択して話をすすめることが可能です。
お気に入りのキャラを進めていくも良し、全員まんべんなく進めていくも良しです。
ただ、他のキャラの進行や、バトルパートを進行させないと読みすすめることができない箇所も出てくるので最終的には全員進めることになりますね。
ストーリーを読み解いていくアドベンチャーパート「追想編」とRTSのような戦闘を行っていくバトルパート「崩壊編」、そして手に入れた情報や一度見たイベントを見直すことができるギャラリー「究明編」の3つのパートがあるのですが、こちらもどこから進めるのも自由というスタンス。
ストーリーと同じようにバトルの方にもロックはありますが、そこまで気にしなくても大丈夫な感じです。
究明編は情報が無いと見ても意味がないのと、バトルパートでポイントを集めないと開放できないものもあるので、他のパートを遊んでたまに見に行くくらいが良いのかもしれません。
十三機兵防衛圏はそんな感じで3つのパートを行き来しながら物語を読み解いていくゲームです。
ハードはPS4で、ダウンロード版もあるので好きな方を選ぶと良いと思います。
ゲームプレイ時間は大体35時間くらいだったはず。
ただ、後で書きますがメモを取りながらだったこともあるので、さくさく進めるのであればもう少し早くクリア出来るかもしれませんね。
自分で考えたいと思わされるアドベンチャーパート
アドベンチャーパートでは13人のストーリーをそれぞれ進めていくことになります。
選択肢によってルート分岐があるようなアドベンチャーではないのですが、行動や情報によって見られる展開が変化します。
見逃した箇所があっても再度プレイすることで確認することができますし、そもそも1回ではたどり着けない箇所もあります。
ただ、リトライしているわけではなく、似た状況になっているだけという展開もあるので、その変化も楽しみながら進めていくのが良いと思います。
13人の話はクロス具合といいますが、交わり具合といいますか、それが本当に複雑で。
何もメモを取らずに進めると、どの話がどこに絡んでくるのかとか、特定の用語が何を指していたのかとかが滅茶苦茶になっちゃうと思うんですよ。
13人だけでなく、関係者を含めると18人くらいになるんですが、それらの思惑や行動が入り乱れ、年代もバラバラで、終いにはループの話も出てきてしまうわけです。
なのでこれを読み解くためにはしっかりメモを取って、重要そうな言葉をこぼさずに拾い集めて自分の頭で考えていくのが重要なんですね。
もちろん究明編のアーカイブを見ることで見直すことが出来るといえば出来るんですが、それよりもこのミステリアスな設定が自分で考えると面白いぞ?と行ってくると言いますか。
話の展開を追いながら自分なりに解釈をして、その途中で出てきた真相に驚かされ、またはやっぱりねと言い返しながら進めていくのが面白かったんですよ。
簡単には読み解かせてはもらえませんが、あのときの言葉の意味がわかった!という瞬間は何物にも代えられないくらい気持ちいいので。
ちなみに私はメモ帳に1000行近いメモを取っていました。
別々でありながらも物語の一部でもあるバトルパート
ヴァニラウェアの美麗な2Dグラフィックを余すところなく使われたアドベンチャーパートとは異なり、バトルパートは俯瞰視点のRTSとなります。
『十三機兵防衛圏プロローグ』ではこのパートを遊ぶことはできなかったので、個人的にかなり気になっていたパートでした。
正直に言うと最初は「あんまりおもしろくないな」ってのが感想でした。
敵が弱いというのもありますが、派手さがなくてあまりテンションが上がらなかったんですよね。
見た目も地味なことも相まって作業感があるな、と。
でもそれも最初だけ。
段々と派手になっていく戦場や強くなっていく機兵を扱っていく中で、地味だなんてことは言えなくなっていきます。
あるステージではPS4が処理落ちするくらい出ますからね、敵が。
せわしなく敵に攻め立てられながら、どのスキルでどこの敵から倒していくかを考えるのはさながら戦場を俯瞰して見る司令官のよう。
つまりこの状況だったわけです。
また、ある程度進めると実感するんですが、このようにパートを分けることで逆にアドベンチャーパートとの一体感が生まれるんですよね。
レビュー記事などでは「シナリオやってバトルやってシナリオやって、みたいに間に挟まれると面倒に感じるから、このスタイルは素晴らしい」みたいなことが書かれています。
でも私はそうじゃないって思っていて。
分割したことでアドベンチャーパートの時間軸に捕らわれなくなり、それ故に最終決戦を最大限語ることができるようになったと思っているんですよ。
郷登編では途中で戦闘から郷登が抜けて森村博士と話をするシーンがありますが、実はバトルパートの序盤でその話が挿入されているんですよね。
そういうところもあって、これはいつの話なのかとか、バトルパートに出てきた言葉はどういう意味なのかとか考えながらアドベンチャーパートを進めることができまして。
アドベンチャーパートとバトルパートは本当の意味で異なる時間の話なので、物語全体の認識が過去と未来の両方から埋めていかれるって言うんですかね。
決戦の日までを描くアドベンチャーパートで語られた話をもとに真相を推測して、決戦の日当日であるバトルパートではその段階では常識となっている情報の断片を与えられる。
その繰り返しの中で真相に近づいていく感覚が本当に大好きで。
そういう意味でアドベンチャーパートとバトルパートは別々でありながらも一体になっているって感じられたんですよね。
好きだった・印象に残ったもの振り返り
印象に残ったシナリオ
シナリオで好きなところを改めて考えてみると結構難しいんですよね。
だって全部好きだから。
それでも改めて考えてみると、薬師寺恵ルートは全体的に好きだったなって思うんですよ。
和泉十郎という人物をなんとかして取り戻すために他の人へ銃を向ける恵。
ただ、当の想われ人である鞍部十郎は今の自分の記憶を疑い、その原因を突き止めようとする。
しかも恵が見ているのは鞍部十郎ではなく、過去の和泉十郎で……。
同じ屋根の下にいるのに、お互いに見ているものが異なる状況なんですが、これが他の人には見えないしっぽを見ている恵と、同じく他の人には見えない柴くんを見ている十郎というその状況が比喩的に表現しているというか。
でも最終的には恵と十郎とがお互いのことをしっかり見て、抱きしめあうというこの流れがね、もう最高なんですよ。
同じような構図の話をすると、関ヶ原瑛と冬坂五百里も良いですよね。
記憶を失い自分探しをする関ヶ原と、一目惚れして瑛のことだけを見ている五百里。
こちらも最後は今の自分を見つめて、関ヶ原が冬坂と向かい合う形につながっていきます。
このように目の前の問題や自分の置かれた境遇を乗り越える中で、主人公の少年少女が成長して、そして今を生きていく。
そのメッセージが胸に刺さりますよね。
その点でいうと逆に井田はそれができなかった存在だと言えると思います。
好きだった如月兎美を生き返らせるためにアンドロイドに記憶を移植し、そしてその時代を生きる兎美に記憶を移し替えようとする。
過去に追いすがり続ける姿は、主人公たちとの対比として描かれていたのだと思います。
近い話でいうと森村博士も同じような立ち位置だったと感じています。
森村博士は旧世代の人類の記憶です。
長く生きてきた森村博士がリーダーとなり、少年少女を導かねばならないと考えていた、というストーリーが語られますが、最後には導く存在は不要だったと考えを改めます。
これも、今の時代は今を生きる者たちが創り、育てていくのだというメッセージなのだと思いますね。
それ以外だとBJが自分を消して17番機兵のデータを転送したシーンは一番泣けました。
魅力的なキャラクター
もうみんな大好き!
ではあるのですが、それだとこの項目を用意した意味がなくなってしまうのでどこが好きだったのかも交えて色々と書いていきましょう。
まずはこの人。
南奈津乃です。
このアクティブな雰囲気やノリの良い雰囲気に惹かれで『十三機兵防衛圏プロローグ』を始めたときから好きになっていたキャラクターです。
重要なポイントなんですが、彼女はムー民的なところがあるんですよね。
簡単に言うとオカルト大好き娘なんですよ。
初めてBJと出会ったときは宇宙人だと信じ込み、周囲の黒服をMIBだと思って必死に避けていくわけです。
UFOについての日誌を残したり、色々不思議なところがある少女なんですが、その明るさが大好きになってたんですよね。
三浦的に言うとこんな感じ。
本当に魅力的だと思いました。
次に好きだなと思ったのは薬師寺恵です。
これは仕方ないと思うんですよね。
だって、エプロン&ご飯ですよ。
手料理が前に並べられたら大好きになるに決まってますよね。
そんな彼女も目指すところがあってあんなことやこんなことをすることになるのですが、それもまた「ゲーム」のために大切なことだったんですよね。
そう考えると、辛い立場だったとは思いますけど、功労者でもあるんですよ。
あとは色々見ているうちに好きになったのが三浦慶太郎です。
すべてが最高。
物語として三浦に課せられた役割は「真相を明かすこと」でした。
もちろん郷登も似ているんですがあちらは「思惑を明かすこと」というのが正しいと思うんですよ。
三浦は数少ない1945年からの転移者で、他の人とは異なる方向からこの世界の歪みを指摘するキャラクターだったんだと思っています。
真面目で実直で妹思いでハンバーグが好きで。
そんな三浦が好きになっちゃったんですよね。
そして最後にもう1人。
色々あったし、振り回されちゃったけど。
柴くんは良いやつだったな、と。
こういう友達って良いですよね。
さいごに
実はこの記事を書き始めたのはクリアした直後なので1月中なんですよね。
でも書きたいことがうまくまとめられなくて全然書けませんでした。
書いた後の今見直しても全然まとまってませんけどね。
SFでジュヴナイルもので宇宙でタイムリープで焼きそばパンでハンバーグで昭和で22世紀な十三機兵防衛圏。
本当はもっともっと書きたいことがあるんですが、書けば書くほど書きたくなるので今回はここまでとさせていただきます。
また別の機会があったら書くかもしれませんが、まぁそれはそれということで。
まだ遊んでなくてここまで読んでしまった人がいたらちょっと残念ですが、今からでも間に合うのでとりあえず記憶を消して遊びましょう。
もうプレイ済みで読んでいただけた人とはどこかで語らいたいですね。
バトルパートではインターセプターを飛ばしまくりながらデモリッシュブレードで両断しまくるのが楽しかったんですけどどうでした?
長距離ミサイルにはお世話になりますよね。みたいな感じで。